明星山 P6南壁クイーンズウエイ

2021年11月8日 メンバーたぬき Mtaka  天候 快晴
暦の上では立冬を迎え高峰の峰々は雪化粧し始める中、里山では未だ紅葉にて山肌を染め一般的な表現では晩秋を迎える。
しかし個人的には晩秋という言葉より、冬を拒むように寄せ付けようとせず力強く山肌を染める様は深秋という言葉が当てはまる感じがする。
明星山もその中の一山でありこの時期、無雪期アルパインのロングルートを楽しめる貴重な明星山に岩を楽しみに行ってきました。
日の出前より展望台駐車場にて準備を整える。アプローチが短いため駐車場にてガチャをすべて装着。暗闇の中準備をしている合間、対岸に望む大岩壁は透き通る紺色の空に、黒に覆われたシルエットを落とす様は威圧を感じる。
日が昇り燦々と差す朝日を浴びると威圧を放っていた岩壁は一転、染み出しもなく白一色に染められ巨大な石灰岩の塊に代わり、クライマーを受け入れる様な雰囲気をかもし出し登攀意欲が高まる中、アプローチ開始。
日が昇り目前には巨大な石灰岩の岩魂が姿を現す

駐車場より踏み跡を辿り小滝川へ降り立つ。水量も少ないため浅瀬を渡渉し対岸へ渡り取り付きへ。
今回望むルートはクイーンズウエイ。昨シーズン壁が濡れ1P敗退した苦い思いの有るルートの為取り付きまでは迷わずすんなり到着。アプローチ開始より約15分の短さに快適さを感じるものの、朝一の行動にしては全く体が温まらづ長短を感じる。
取り付きは「フリースピリッツ」より10メートル程ザレを右上しリング2本から。
ロープを結び直ぐに登攀開始。
【P6南壁クイーンズウエイ】( )内は個人的な体感グレード スケル
※参考にしたトポは、個人的な体感 スケルと違いあまり役に立たなかった。記録は個人的な感想なので参考に。

1P(Ⅲ 20m) 左上気味に草付混じりのフェースすに高度を上げる。暖斜面ながら残置は皆無でブッシュにてランナーを取りながら高度を上げる。朝一では思いの外嫌らしい
1P目 取り付きよりルートを望む
2P(10b 30m)いきなり下部核心ピッチ。出だしより被ったコナークラック。非常に悪い。クラック上部の抜け口が特に悪くA0で抜ける。クラックを抜けると上部ハングにホールドを求めスラブを右上し再び被り気味の凹角をぬける。ロープスケル25m付近で終了点が有ったが欲張って少し高度を伸ばし残置3本のハーケンで切る

下部核心を抜けるMtaka

3P(Ⅳ 30m)左に見える凹角を越え草付混じりのフェースを直上。(記憶が曖昧)
4P(Ⅴ⁺ 30m)下部城塞の通過。被ったコーナーを越え草付混じりのフェースへ「JADE」の終了点であろうハンガー2本の終了点でピッチを切る
5P(Ⅳ⁻ 40m)草付混じりのフェースを直上し上部城塞基部まで行き左へトラバース。本来「クイーンズウエイ」のルートは崩壊しているので5m程左に有る(フリスピ」のライン基部にてブッシュで切る

草付混じりのフェースを上部岩壁基部までラインを延ばす

6P(5.8 25m)「フリスピ」にラインを取る。カンテ左裏の凹角にラインを取りガレ場直下の終了点まで

クイーンズウエイのルートが崩壊中な為フリスピへラインを取る

7P(Ⅱ 40m)ガレ場の歩き。フリスピ取り付きの左上5m程の小さいテラスまで。取り付きの目印は無いのでルーファイ必須
8P(5.9 25m)フェースを直上。何処でもラインが引けそう。基本NP主体だが所々残置が有りラインを間違っていないことに安堵する

上部区間へ突入 
9P(5.9 25m)8Pと同じ状況 若干左上気味に上がり残置で切る
10P(10c 50m)薄被りのフェースから左に見えるコーナー目指し高度を上げる。出だしから非常に悪い。コーナー上部より右にトラバースし被ったフェースを超える。出だしより残置は無く非常にルーファイに神経を使うピッチ。そのうえ被ったフェースを越えるまでの約25m程の区間がずっと10bが続く感じだった。11を余裕を持って登れるくらいの技術が必要に感じた。被ったフェースを越え上部ブッシュ混じりのフェースを直上し杉の大木で切る
ルート上の核心ピッチ 技術、ルーファイと共に非常に神経を使うピッチ

11P(Ⅲ⁺ 40m)フリスピの最終ピッチに合流。階段状のカンテを辿りスカイライン目指し大岩直下の終了点まで
下降は薄く残る踏み跡とマークに導かれ西面下降路へ。

終了点より安堵の一枚

フリーの要素が強いもののNP主体で登攀技術、ルーファイ能力の試される攻撃的で奮闘できるルートでした。

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