参加者 げん、Wooさん(会外)
5月4日、ゴールデンウィークの後半2日を使って、谷川のルートを登ってきました。
初日は変形チムニー、2日目は中央カンテを予定していましたが、先行者がいたので凹状岩壁に転進しました。
初日 変形チムニー
1P目、簡単な垂壁からスタート
このピッチは傾斜がなくて難しくはないが、浮石と枯れ草が堆積していて気持ち悪かった。
右に見える凹角を見つつ、直上。ほどなくして終了点へ。
2P目
核心は崩壊しているという話を前もって聞いていたピッチ。
確かにハーケンに残置スリング掛かっている辺り、土と草と浮石が堆積していて怖かった。
ちょうど良いフットスタンスとなるスイカ大の石があったが、斜面に乗っているだけだったので、使えず。
残置スリングを掴んで上がりました。
なお、崩壊地点の石はA0したときに、触れたら落っこちてしまったので、フットスタンスが無くなり、より悪くなってしまったと思います。
崩壊地点をよく観察してみると、岩の裏側に草の根が張ってしまっているので、今後も岩の剥離は起こりそう。
スリングを掴んでいる手の右側にある岩も浮いている。後続がいる場合、剥がれる石を落とさないよう注意が必要。
他の方が登っている記録を見ると、右か左から巻き気味に上がっている記録があったので、崩壊箇所を直登しなくても登れるようです。
3P 変形チムニーの由来となっているチムニーを登る
快晴続きのおかげか、チムニー内部は両側乾いていて快適でした。
上部でヘルメットが挟まってしまい、スタックした。
足尾でチムニー登りを練習していたのが生かされました。
4P チムニーの上を直上し、20mトラバース
トラバース箇所はプロテクションが取りづらく、トラバース箇所に枯れ草が堆積していたので、かなり怖かったとのこと。
5P ルンゼ状からチムニー
先程のチムニーよりは狭い。
ここもチムニー登りで突破。
あとで確認したら、ザックに穴が空いてしまった。
6P 5P終了点から左に出て、登る。直上しつつ右に進路をとる。
7P ピナクルから垂壁 6Pの終了点からすると少し右上する。テラスに終了点あり。
私はまっすぐに登りすぎてしまい、トラバースの後2mほどクライムダウンしました。
8P 7P終了点からまっすぐに上がり、凹角を登る。
クラックにカムが決まる。
9P 凹状の草付帯から、左の階段状を登る
残置ハーケン多数。左上していくとピナクルが見える。
ピナクルの先に終了点があった。
10P 烏帽子岩が見える。烏帽子岩の左に向かって登っていく。
階段状で特に難しいところは無し
下降は終了点から懸垂で降りていく。
最初は空中懸垂。
その後、草付帯の踏み跡を右に歩いていき、南稜の懸垂支点まで。
我々は南稜の懸垂でまっすぐに降りすぎてしまい、本谷近くまで降りてしまいました。
幸い、付近のバンドに横一列に打たれたハーケン数本を発見することができ、南稜テラスまで戻ることができました。
かなりタイムロスしました。
あとで調べたら、かつて南稜テラスから本谷方向へアプローチする際に使われていたもののようで、南稜テラスの側には朽ちたフィックスロープもありました。
バンドをトラバースしている箇所には同じ高さでハーケンとリングボルトが打たれていて、確保しながらトラバースできるようになっていました。
無雪期シーズン初めは冬季で浮いた石や枯れ草の堆積が多く、ホールドを探すのに時間が掛かってしまいました。
チムニーは乾いており、快適に登れたので助かりました。
ピッチ数が多く、不明瞭な箇所もあり、ルーファイが求められ、登りごたえのある良いルートだと思いました。
最後の下降はハマってしまいましたが、無事帰ってこれて良かったです。
2日目 凹状岩壁
2日目は凹状岩壁を登りました。
やはり、こちらのルートもシーズン初めといった感じで、堆積した枯れ草と剥離するホールドに神経を使いながらのクライミングとなりました。
テールリッジから衝立中央稜取付を過ぎ、少し上がったところが取付。なお、中央カンテと1・2ピッチは共通ルート。
1ピッチ目はトラバースから簡単なスラブ状を登る。
細かいスラブ。岩が濡れていると怖い。
核心の凹状を登る。
プロテクションが取りにくく、ランナウトするとの話もあるが、凹状右側にはクラックや岩と岩の隙間がところどころ出てくるので、カムやボールナッツが使えた。カムは1番以下のスモールサイズ(Z4やマスターカム、トーテムなど)を持っていくと良いと思う。
左のフェイス面にはプロテクションを決められる場所がほぼ無いが、右側はそれなりにプロテクションがとれるので、怖くはなかった。
凹状を越えて、被った壁を右に登り、直上していくとブッシュ帯に入る。
灌木を使ってランナーを取る。
最終ピッチ。
クラックにカムを決めて登る、爽快なピッチ。下部や凹状部分に比べて、岩も硬くてしっかりしているので、思い切り登ることができる。
残置ハーケンも豊富。
岩の硬いセクションを過ぎると、15mほどで終了点へ到着。
この終了点は位置的に衝立中央稜の頭の左側になる。
今回は歩いて中央稜終了点まで行き、中央稜を懸垂で降りることにしました。
中央稜に登っているパーティはいないことを確認し、懸垂開始。
懸垂の方法として、最初は50m1本で短く切って数回懸垂。
スタックを避けつつ、中央稜取付が見える位置まで降り、最後の2回だけ2本連結で懸垂しました。
少し暑いくらいのゴールデンウィーク2日間、天気に恵まれて充実の谷川でした。
2日間お疲れ様でした。
今回もケガなく無事に帰着。同行いただいたパートナーに感謝です。