足尾 無名沢

2024年6月1日 メンバー たぬき KNZ ISK

天候 晴れのち曇り

梅雨入り宣言は無いものの、梅雨目前に迫り不安定な天候が続き岩との相性が悪い日が現れだす。 そうなれば選択肢に沢が入りだすのは必然。その必然を選択し今シーズンの沢初めに足尾へ行ってきました。
今回遡行する沢は無名沢。個人的には昨シーズン、トラブルが有った為因縁の沢。

銅親水公園よりアプローチ開始。気温はさほど高くは無いがウエットのパンツを履いてのアプローチは大汗を掻きながら足尾の顔であるジャンダルムに見送られ足を進め無名沢出合へ。アプローチで火照った体に今後の遡行を考慮し上着のウエット、レインを装着するには少し抵抗が有るも出合にて装着し遡行開始。
無名沢は恐らく遡行図が無い為SNSの情報を元に遡行して行く。とは言ってもF1は右岸から巻きひたすら連瀑を処理し終盤の二俣はどちらでもと言う大雑把すぎる情報のみで遡行。
碇石通りF1は右岸から高巻き沢床へ降り立つ。続くF2。前回は直登したが今回は(沢初め)の大義名分を付け左岸より巻いた。以降は連瀑が続く為、滝の数が数えきれない為詳細は省き印象に残った遡行箇所のみ記載する。
F2を高巻くと延々と連瀑が続く。恐らく遡行図が有ったとしても何処の滝を処理しているか分からないだろう。
滝のスケールは5mから10m程の物が続く為ロープの必要性は少なく感じたが全体を通し岩が非常に脆い為非常に緊張を強いられた。

小ぶりな滝だが左岸から巻く ボロ壁で見た目以上に悪い 遡行全体を通してボロ壁だがここが一番脆かった
連瀑帯の処理の開始
小ぶりだが延々と滝が続く

中間部付近に有るCSの滝。

ルート上核心であろうCS滝 沢初めで水線突破はリスキー

恐らくルート上の核心部。左岸から巻くか直登するか悩ましかった。最初は左岸から巻こうとトライするも逆層でホールドスタンスが乏しい為断念しラインを滝直登へと取る。下部から見た目以上のシャワーを浴びながら高度を上げCS直下まで。水圧が凄まじい中水線を突破した。水温が低く、リードは低体温症になってしまうかとヒヤヒヤだった。

気温が低い中 怒涛の水線突破 アドレナリンで体温を上げる

核心CSを抜ければ渓相は一気に狭まりだしゴルジュの様相へと変わって行き二俣へ。

CS滝を抜けると一気にゴリュジュ風に渓相は変化して行く
雰囲気の有るゴリュジュの処理

事前の調べでは左が本流と認識していたので進路は左へ。一気に水は涸れだしゴーロ混じりのゴリュジュを詰めると最終CSへ高差は5m程だがスタンスが無い為悪い。
此処でハンマー、投げの練習。初めての経験だったがロープの自重が有る為思いのほか飛ばない。更に掛からない。
掛かったとしてもそれに荷重して登攀する事は沢屋にしか出来ない曲芸だろうと認識した。当人は何投かしている内にロープが外れハンマー単体を投げる始末だった。

ハンマー投げをするが難儀 あげくの果てにはロープが外れ遠投 沢屋には程遠い

これは問題有る行動だ。沢屋には成れないだろう。
最終CSをショルダーでスタンスを確保し抜ける。上部は更に水量は無くなり、左岸のザレ壁より脱渓。ガレを根気よく詰めれば稜線へ付き上がる。

最後のガレの詰め
ガレのレベルが異常に悪い

稜線にはしっかりとした登山道が敷かれてをり道迷いの心配は少ないと感じた。
これまで足尾に幾度となく通ったが稜線へ抜けるの初めてだった。思いのほか美しい稜線に癒しを抱き高度を下げ話題となりつつある孤高のブナの木に一礼し下山。

今や足尾のシンボル化した孤高のブナの木 何度も足尾へ通ったが初対面

沢初めとしてはシャワーを受けながらの連瀑の処理はリスキーでしたがパートナーに恵まれ良いスタートが切れました。

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