2024年8月10日 錫杖岳にあるロングルート、『見張り塔からずっと』を登ってきました。
メンバー:げんき、Mtaka、GENGEN、Yさん 記録文(げんき)
装備:60mダブルロープ2本、カム(#1~#3 2セット #1以下のマイクロカム1セット)
ナッツ(小さいものから順に5本) ボールナッツ(小さいものから3本)
スリング類(60cm10本 120cm4本 180cm2本)
今回は2人・2パーティで登りました。
取付は『注文の多い料理店』がある北沢側フランケを右に見て、沢をつめていったところ。
チョックストンのつまった、北沢大滝が見えると取付となる。
夏の日差しが照りつける天候だったが、ここは前衛壁の影になり、快適だった。
北沢大滝の左側スラブから登攀開始。
区間が短いため、トポ上の1ピッチ目と2ピッチ目はつなげて登った。
スラブ帯でハーケンなどの残置は少なめ。
ホールドも明確なのはなく、スラブのフリクションクライミングで上がる。
トポ上の3ピッチ目。
傾斜はあるが、階段状~ブッシュへ突入。
60mロープいっぱいまで伸ばした。
写真中央あたりに浅打のハーケンと捨て縄が巻かれた岩を見つけ、そこでセカンドをビレイ。
3ピッチ目終了点は古い浅打ハーケン2枚。カムで補強し、ビレイ。
4ピッチ目はスラブ~草付帯を右上
この辺りでガスが上がってきて、視界が悪くなった。
3ピッチ目の終了点から。セカンドビレイ中。
4ピッチ目スタート。2組目も3ピッチ目の終了点に到着。
4ピッチ目の終了点。
ブッシュの中に狭いテラス状。
5ピッチ目、直上からブッシュ帯に入って緩傾斜帯でピッチを切る。
壁が立ってくる。ところどころ脆いが、硬いところに小さめのカム、ボールナッツが効いた。
5ピッチ目は60mロープいっぱいまで伸ばしたところで灌木と小さめのナッツで支点構築。
ハーケンなど、残置支点は見つけられなかった。
6ピッチ目は歩きピッチなので靴を履き替えた。
5ピッチ目終了点から正面に見えるブッシュ帯を右に巻き気味に登り、尾根状に乗り上げる。
今回はガスって視界が悪かったが、尾根上からは次のピッチの目印となる洞穴が見えるだろう。
尾根上に上がる薄い踏み跡があった。
7ピッチ目で完全にガスに巻かれる。
霧雨のような感じで、ミストを感じながらの登攀となった。壁の一部は濡れている状態。
垂壁のスタート2mくらいに残置のカムがあった。
上部はクラックもあり、ガバ多く快適。
この辺りの垂壁がこのルートの核心になるだろうか。
傾斜はあるが、クラックが発達している。
カムやナッツがきまる所は多いので、しっかり多めに使って登る。
凹角は上に上がっていくと、徐々にかぶっていき、ホールドが無くなるあたりで右にトラバースを開始。
足のスタンスはしっかりあるので、落ち着いていけばOK。
トラバース中は細めのクラックにプロテクションを1つ取った。
1つ有れば安心して突っ込める。
今回、ガスっていてよくわからなかったが、このピッチは下を見てしまうと高度感が凄いと思った。
右に数メートルのトラバースのあと、ガバを発見し、直上。
フレークにスリングを掛け、プロテクションとした。
8ピッチ目終了点は右トラバースの後、直上した先ではなく、だいぶ左の方にあった。
位置的には凹角の真上なので、冬季も使われる終了点なのだろう。
完全にガスにまかれて、目標物を見失ってしまいそう。
この後もずっとガスガスでした。
pピッチ目は本峰基部までまっすぐに緩傾斜帯の歩き。
うっすらと本峰末端が見える。
ガスっていなければ、基部に洞穴が見えるだろう。
基部にあるえぐれた部分は雨も凌げそうなくらい。数人は雨を凌げて泊まれそう。
後続を待ち、10ピッチ目は基部に沿って歩き、草付のルンゼが出てくるのでそこを登る。
ルンゼ途中でピッチを切る。
11ピッチ目。
草付きルンゼを直上。
草を掴んで登る&堆積した浮石が意外に悪く、気持ち悪かった。
上部のクラックも脆いが、草付き帯に比べればマシだった。
11ピッチが最終ピッチ。
クラックを登り終えると、本峰に乗り上がった。
ピンクテープが付いた登山道と合流し、登攀終了となる。
終点から。
ルート後半からガスってしまい、視界がきかない中でのルートファインディングとなった。
5.9とグレード的には高くないが、ルートファインディングを駆使し、冒険的要素のある良いルートだと思いました。
※下山について
かなり時間が押してしまい、下山で暗くなってしまいました。
牧南沢を下りましたが、沢型まで出るまでの道も悪く、岩峰を巻くように歩く登山道なので、迷いやすいです。
かつ、ヤブが発達しやすい低山なので、途中の道型がヤブで隠れてしまっています。
事前の下山ルート確認は入念に行うべきと思います。
おそらく、明るいうちに下山できても、迷う可能性ありです。
登攀よりも下山がしんどかった。
久しぶりにメッチャ疲れました。