足尾 松木沢ジャンダルム中央壁 左ルート

2024年11月19日  メンバー たぬき夫妻

天候 終日快晴

数日前に今シーズンのフラットシューズ納めを足尾にて行った。その数日後に強い寒気が入り、いよいよ冬季へ向け季節が動き出す。
そうなれば山屋としては本格的なアルパインへ向け足慣らしをしに再び足尾へ。
ドライにて岩を楽しみに行ってきました。
早朝より銅親水公園よりアプローチ開始。暖秋に身体が慣れてしまったせいで今シーズン初となる寒気には体が適応して無い為か、アプローチ開始時は凍える感覚で足を進める。
途中、水溜まりには薄氷が張る。しかし本日は日差しは燦燦と有る。体は寒いと感じているがこの時期、薄氷が張る光景は例年通り。  変化したのは暖秋により寒さへの抗体が無くなった個人の体感なのか。くだらない事を考えながら足を動かせば本日目的とする登攀エリアのジャンダルムへ。

青空にジャンダルム
いつ見てもこの画角が好きだ

昨今は堰堤整備をする事から、道路整備をしている為アプローチが良くなった。ジャンダルムへ関しては、以前は渡渉必須だったが、橋が架かり渡渉なしで進む事が出来る。
ザレを詰め本日の目的である中央壁 左ルート取り付きを目指す。

左ルート取り付きは中央壁基部末端までトラバース

【中央壁 左ルート】
( )内は個人的な体感グレード スケル ※記録は過去に登攀した感想を引用
1P (Ⅴ 30m)
立った凹角状から。離陸直後はランナーが取りずらく出だしとも有って非常に緊張を強いられる。凹角状の上部はフッキングが効き見た目以上に悪くは無い。上部岩の切れ目を目指し抜けるとスラブ帯へ。スラブ帯は左のコーナーへアックスを誤魔化しながら決めジワジワ高度を上げ終了点直下で右にトラバースしハンガー2本で切る

1P 出だしが核心ピッチ
垂直の凹角を抜けても上部には悪いスラブが待ち受ける

2P (Ⅳ 50m)
スラブから高度を上げ左上に見えるクラックを目指す。クラックは直接入らずカンテを絡めクラックへラインを取る。ホールドスタンスは豊富に有り快適。上部に抜けると大バンドのガレ場へ突入
リングと立木で切る

2P 簡単なスラブの処理からカンテ状を絡めフェースへ 上部は大バンドのザレを歩く

3P (Ⅴ 40m)
大スラブには大きな3本のクラックが走る。右、中央ルンゼ。中央、直上。左、左ルート。
出だしコーナーへラインを取り高度を上げる。中間部の一手がが非常に悪い。この区間はライン取りにより難易度が変わる様に感じた為、ルーファイ必須。中間部より左へ5m程トラバースし更に凹角上へ高度を上げる直ぐにリングが有る終了点が現れるが(本来の終了点)横目に10m程高度を上げれば整備された直上ルートの終了点にて切る

3P コーナー状のクラックを処理し中間部でトラバースした後直上 
クランクするライン取りな為ロープの流れには注意化必要

4P(Ⅳ⁺ 25m)
階段状を左上し上部に見えるV字状の枯れ木目指し高度を上げる。
V字状枯れ木直下を左のカンテへ回り込み高度を上げ、直ぐに現れるバンドを枯れ木直下までトラバースしクラック伝いに直上。このピッチもライン取りによっては難易度が変わる為、ルーファイ必須。
リング、残置ハーケンにて切る。

4P 左上に見えるV字状枯れ木を目指す 枯れ木直下は垂壁

5P (Ⅱ 15m)
本来なら4P目にて左ルートは終了。Ⅲ級程のコブシ岩側面の凹角から終了点へ立つのだがコブシ岩へ繋げる為、直上ルート終了点まで歩く。
ハンガー、リングにて切る

5P 左ルートは事実上の終了点 目前の顕著なコブシ岩側面凹角を登れば終了する

6P (Ⅴ⁺ 20m)
コブシ岩の処理。直上ルート終了点より一旦、左ルートへ戻りカンテをい絡め右上し高度を上げバンドをトラバース。
最後は垂壁の処理。残置2本が有るがカムで補強し、突っ込む。ホールドはガバだがスタンスが拾いにくいので緊張。更に遮る物がない為、高度感が尋常では無い。

6P コブシ岩のトップよりフォローを迎え入れる 遮る物が無く高度感が気持ち良い

抜ければ一気に陽光に出迎えられる。残置スリングにて切る

定番となりつつあるが足慣らしには良い山行でした。

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