八ヶ岳 摩利支天大滝

2024年12月22日 メンバー たぬき KNZ げんちゃん 他1名

天候 雪のち曇り

冬至を迎え日々、寒さが一段と増す。今シーズンは序盤から安定した冷え込みが続き、更にシーズン初となる寒波の到来より氷の成長が期待できる。一般の方にとっては嫌な気象だが山屋にとっては嬉しい気象条件だ。 若干氷の成長は早いかもしれないが安定した冷え込みに期待を抱き八ヶ岳へバーチカルアイスを楽しみに行ってきました。今回目指すルートは摩利支天大滝。最後に登攀したのは数年前でほぼ記憶から抹消されている為、新鮮な気持ちで挑みます。
アクセス中も美濃戸口の一般道より積雪が有り、厳冬の八ヶ岳へ変化して行くのを実感しながら車を進め美濃戸林道へ。積雪は有るものの凍結はしておらずチェーンなしで美濃戸まで。
取り付き一番を決め込む為、早朝日の出前より美濃戸よりアプローチ開始。ヘッデンの明かりを頼りに足を進めます。予報では寒波到来となっていたがアプローチ開始時、八ヶ岳には珍しく湿った雪が舞っていた。想定していたより気温が高い。当然ながら積雪した雪は鳴かず、肌を刺すような寒気も無く意表を突かれた感じでアプローチ。
ヘッデンの明かりから照らされる一点の筋からは白黒のみのモノクロの世界が広がる。殺風景だが個人的には静粛に包まれ単色の世界が、非現実社会を相乗させるようで好きだ。行者小屋手前付近より一般道を離脱し摩利支天沢へ。降雪がそれなりに有った為ラッセルの心配は有ったが薄っすらトレースが残り有難く頂戴し高度を稼ぐ。
摩利支天大滝 前衛滝は氷結状態も良くフリーで抜け本命の大滝へ。

前衛滝は氷結良くフリーで抜ける

前衛滝を抜けた時点で目視する大滝は繋がっているが細く非常に悪く感じた。目視する時点ではシーズン初めにはかなり手強い物件だ。しかし今後を見据えれば良い足慣らしに成ると気持ちを切り替え準備を整え登攀開始。

前衛滝を越へ摩利支天大滝を遠望 かろうじて繋がっている感じでプレッシャーが大きい

【摩利支天大滝】 ( )内は個人的な体感 ロープスケル
(Ⅴ⁺ 20m)
【左右岸抜け口にはハンガーによる修了点有】

SMS上の例年の記録、更に実際個人が過去に登攀したラインは中央に氷柱状に育つ大滝だが、現時点では左岸寄りに発達していた。状態は細いバーチカル。氷質は非常に硬い。ただ直近にて登攀されている為か所々フッキングが効き、それなりにスタンスも有った。しかし氷質が硬くスクリューを打つ作業には非常に難儀。上部はパンプに耐えきれずアックステンションを交え抜ける。現時点ではラインは1本しか取れない状態だった。

シーズン初めのバーチカル  

例年発達するであろう中央のラインは不可のの為、右岸に途中まで繋がった氷柱へトップロープを張り後半戦を遊ぶ。 クリーニングされておらず体感的には、ほぼバージンアイスの様に感じた。

トップロープを張り繋がった氷柱2本で各々トレーニング

本命の摩利支天より難易度は高く感じた。
毎年、流水によって氷結状態は変わるで有ろうが、短いがシーズン初めのバーチカルは有意義の有る存在だ。

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