2025年1月11 メンバー たぬき げんちゃん KNZ ISK
天候 終日快晴
2シーズン前に某山岳雑誌に紹介された野門沢支流の氷柱群。昨シーズンに早速訪れたかったが異例の暖冬により氷結状態に不安を抱いた為見送った。しかし氷の発達に期待は持てないものの、行かなければ確実に登れない事は、山屋として悔いが残った。 まるで喉に刺さった骨の様だ。その鬱憤を晴らす為、発表から出だしは遅れたが野門沢支流へ氷を楽しみに行ってきました。
野門集落最奥の駐車スペースよりアプローチ開始。積雪に覆われた林道を辿る事約10分程で左手に有る貯水タンクより林道を離脱し沢へ向かいます。直ぐに眼下には沢を目視することが出来る。下降地点にはピンクテープ有り。急な尾根状から下り易そうな斜面へ進路を取り途中よりルンゼ状へ入り沢へと降り立つ。明瞭な踏み跡も無いので感覚的には下り易そうな斜面を沢に向け下降して行く感じで良いと感じた。
沢へ降り立てば上流に有る堰堤まで沢沿いを詰める。右岸に渡渉しなくてはいけない為、渡り易そうな個所が有れば早めに済ませた方が良い様に感じた。
目印である堰堤が現れると堰堤を目前とし左手の尾根状へ進路を変え高度をドン詰まりにてルンゼ状を左へトラバースすれば鳳雛が現れる。
今回は4名で2パーティー編成の為、1パーティーは鳳雛へ取り付き、残りは伏龍の検索へ。
伏龍は鳳雛を正面に見て左のルンゼ状(カール状)をトラバースして行く。100m弱程で5m程の氷柱が目印。上部に見える顕著なゴリュジュ奥に伏氷している為下部からでは目視出来ない。更に左にもルンゼ状が2本程有るが偵察した結果氷は無かった。
2パーティーに別れ登攀開始
( )内は個人的な体感グレード スケル
【鳳雛】(Ⅳ 30m)
取り付きから目視するに氷結状態が明らかに悪い。下部はガサ氷、中間部は氷厚が薄く更に上部抜け口は氷が無い様な始末だった。
氷が発達し安定すればⅣ位な体感なのだろうが、今回は氷質が悪かったせいかⅣ⁺とする。下降は右岸の立木より懸垂。
【伏龍】(Ⅴ 70m)
ゴリュジュの奥に有るので下部アプローチから見る存在感は圧巻に感じた。
1P(Ⅴ 60m)
出だしは水氷の暖斜面から。スカ氷の為スクリューの選定には気を遣う。中間部から立ってくる。直瀑で無いので着雪が多くスタンスを拾うのに非常に神経を使い高度を開ける。
上部は傾斜は急激に落ちるがその分着雪が酷い。クリーニングしながら慎重に抜けロープスケル約50mで雪田へ。直近の降雪の為雪田と記載したが恐らく岩肌に新雪が乗っただけの状況だった為、リードはギヤの損傷と安全確保を天秤に掛けながら慎重に抜け10m程伸ばし品祖な氷に」スクリュー3本で切る。
2P(Ⅳ⁻ 15m)
階段状の氷の処理。非常に氷質が悪い。上部抜け口へ達すると上部には氷が無い為アバラコフにて下降。
個人的な感覚では2Pはおまけの様に感じた為、氷質が悪い場合は割愛しても良い様に感じた。
下降は氷質が安定していればアバラコフが有効。不安定な場合右岸の立木が使える
下山は行と違いそのまま浅いルンゼ状を辿り沢へ。沢を辿りアプローチに使ったトレースに合流し急斜面を登り返し林道へ。
概念図が分かれば取り付きまでの時間は1時間掛からないだろう。
コスパが良いエリアだった。