2025年4月29日 メンバーたぬき夫妻
天候 晴れ
本来予定していた雪納めの山行は生憎の悪天に阻まれ断念。急遽山行エリアを模索するも全国的にあまり良くない状態。となれば潔く雪山は諦め通い慣れた足尾へ岩を楽しみに行ってきました。
前日の夕方から夜半にかけまとまった降雨が有った為かアクセス中の道路は濡れ壁への心配が募る中車を走らせ銅親水公園まで。朝早い時間と言えほぼ満車状態。かろうじて1台空きの駐車スペースへ。数年前まで負のレッテルが張られサビれたイメージだったが、昨今は緑が戻り人気は定着しつつあるのか。
アプローチ開始。燦燦と日差しは有るものの風が強い。更に寒気が入っている為想定以上に寒さを感じながら足を進める。心配していた壁への濡れは皮肉ながら強風の影響からか殆どドライな状態へ回復していた。
今回の山行目的は無雪期へ向けてのトレーニングとの位置づけの為、それなりの難易度の有るルートを下山時刻まで継続登攀する為、右壁基部の大テラスにて準備を整え各ルート登攀開始。
【右壁 正面ルンゼ~天狗岩ダイレクト】( )内は個人的な体感グレード スケル
1P(Ⅲ 50m)
階段状の幅広いルンゼ状を詰め、頭上に見える垂壁基部まで50m一杯伸ばす 終了点はハンガー2本
2P(Ⅲ⁺~Ⅳ⁻ 20m)
左に見える同門へ3m程左上した後切り返し右上。巨大なフレーク状へラインへラインを取りフレーク状のドン詰まりの小テラスにて切る 終了点は古いハンガー2本

3P(Ⅴ⁻~Ⅴ 25m)
出だしフレークを使い左へトラバースする個所が核心。体が垂壁の外に出るので非常に高度感が有る。短いトラバース区間はスタンスは乏しいがホールドはそれなりに有るので細かいスタンスを拾えば問題無い。

フェースを処理し高度を上げ上部はチムニー状へラインを取り抜ければザレた大テラスにて切る 終了点はピナクルにスリングにて
4P(Ⅳ⁻ 20m)
ザレを5m程歩き正面の岩塔へ取り付く 正規ルートへ入れば残置が多く問題ない。

間違ったとしても上部スカイライン目指せば良いと感じた 終了点はハンガー2本
終了点から左方面にはコブシ岩が望める。上部に抜けるにはガレた岩場なので登攀対象にはならないだろう。
終了点より右下へ派生するルンゼ状のガレを下れば下降路へ合流。
【中央壁 直上ルート】
1P(Ⅴ⁺ 20m)
垂直のチムニー状から離陸開始。ハンドジャム有効に使えるピッチ。中間部に有る左のテラスから右へ移る所が若干嫌らしく感じた。垂直のチムニーを抜け細い立木とナッツでピッチを切る

2P(Ⅴ A0 35m)
正面にはスラブが広がるが、ラインは左のコーナークラックへ取る。中間部まではクラックへプロテクションを取り、スラブへスタンスを拾いながら高度を上げる。
コーナースラブを抜けると上部には2本走るコーナークラックへ。
左はオフィズス、右はハンド。左のオフィズスを主に全身を擦りつけながらジワジワ高度を上げる。この区間も#4のカムが有効に感じる。3m程トラバースしボロいリングと細い立木にて切る
3P(Ⅴ 50m)
取り付きからは簡単そうに見えるが悪い。出だしランぺから高度を上げる。
短いがランぺの処理が悪い。

上部はフェースに走るクラック沿いにラインを取ればザレへ上がり歩く
4P(Ⅳ⁻ 40m)
大スラブには顕著なクラックが3本走る。右(中央ルンゼ)中央(直上ルート)左(左ルート)。
無雪期 フラットシューズではどのラインも快適に感じる。
NPがバチバチ決まり快適なピッチ
5P(Ⅳ 30m)
階段状の岩壁に右上する様にラインを引く為ロープの流れには注意が必要。全体的に階段状だが部分的に悪い個所が数か所出てくる

6P(Ⅴ⁺ 20m)
コブシ岩左に巻き脆い凹角へラインを取る事も出来るが、ライン的にはコブシを処理した方がスッキリする為、コブシへラインを取る。
出だし左上気味に基部を辿りカンテ状から右上しバンドまで。#2~#3が有効に感じる。バンドから再び垂壁へ。垂壁な為非常に悪く感じるが目視できる残置ハーケンより上部はガバなので豪快に抜ける。

【三段チムニー】
下降路へ合流し一回目の懸垂をを得た付近よりジャンダルム右壁側面に見える同門が目印。(巨大なCSに見えるかも)
3m程登り同門を潜れば自然と回り込む様に同門の上に有るテラスへ導かれる。
半畳ほどのテラスに準備を整え登攀開始。
1Pのショートルート(Ⅴ⁻ 45m)
三段チムニーの名前の由来と有ってから変化に富んだルート。しかし登攀体感としてはチムニー登攀と言うよりは凹角状へラインを取りジャムを屈指しながらの登攀となる。三段への明瞭な区切りは無く、徐々に変化していく感じでとらえた方が表現として合っている様に感じた。

終了点はピナクルにスリングにて。
下降は右下に派生するザレを下れば下降路へ合流。