奥日光 外山沢川 庵沢外山滝

2025年8月29日 メンバーたぬき 他1名

天候 晴れ

お盆を過ぎ暦は長月へと変わる直前だが、あろろうにも猛暑と言う言葉が邪魔をする。秋の入口はいったい何処へ行ってしまったのか。
猛暑と言う暑さに季節の変動も抑えられ、残暑と言う言葉は何処へ行ってしまったんだろう。昨今では残暑と言う言葉が懐かしく感じられる。
そうなれば涼を求め沢へ。今回目指すルートは遡行記録の少ない奥日光の庵滝から外山滝を経て前白根山へ突き上げるルート。
最近冬季には氷瀑鑑賞にて多くのハイカーを迎え入れている庵滝だが無雪期遡行する者は少ない。更に上部には外山滝が鎮座する。
外山滝。 レアな滝だろう。メジャーな前川大沢滝の横幅をコンパクトにした印象だ。ただ落差はロープスケルにて100mは有り登攀の価値は有ると感じた。
とは言え、上記に記載した遡行を提案したのはパートナーな為、今回は出だしよりおんぶに抱っこで挑みます。
車を2台使用し、下山口である湯元スキー場へ車1台デポし竜頭の滝上無料駐車場より低公害バスへ乗車する為、徒歩にて石楠花橋バス停まで歩き乗車。15分程バスに揺られ弓張峠先のヘアピンカーブにて下車しアプローチ開始。
薄い踏み跡は有るが迷いやすい為、地形図を確認しながら足を進め約1時間程で庵滝へ。
昨今冬季にては氷瀑を目当てに多くのハイカーを受け入れている様だが、無雪期は閑散とした雰囲気が有る。と言うより殆ど訪れないのではないかと言う感じが有った。
しかし無雪期の庵滝は20m程の落差を持ち水量も有る為、無雪期でも訪れる価値は有ると個人的には感じた。

庵滝 冬季には氷瀑と化し多くのハイカーを受け入れるが無雪期も立派な存在

鑑賞はさて置き、庵滝より登攀開始。流石に庵滝は直登できない為左岸より巻き庵滝上より入渓。なだらかな沢を辿り遡行して行く。目立った滝も無くダラダラ歩くと渓相はだんだん両岸が切り立ち始めゴリュジュの様な雰囲気になる。

徐々に両側が切り立ちゴリュジュの雰囲気 倒木が多いのには閉口

最初に現れる滝は5m程。左岸寄りに水線を交え抜ける。直ぐに7m程のCS滝と称される滝が現れる。見た目には何処にCSが有るのか判りにくかったが事前の調べで形状は明白だった。

CS滝 水線が冷たく撤退し大高巻へ

奮闘すれば抜けられそうだったが、完全なシャワーになる上、プロテクションが取れなそうな条件から高巻くことに。
CS滝より約100m程下降した地点の右岸より高巻く。大高巻との記録が有ったが言葉にすると大大高巻な表現が似合うだろう。此処の高巻に90分程の時間を費やす始末。

大高巻を経て眼下に外山滝が見える地点より懸垂にて沢床へ

ようやく眼下に外山滝が現われた地点より懸垂にて滝壺付近へ向け降下。
大高巻から望む外山滝は落差も有り巨大な存在だったが滝壺から観察すると弱点は有った。

滝壺より外山滝 水線は細いが100mの落差は圧巻

1P 水線脇の左岸から離陸開始。立っているがホールドスタンスは豊富に有る。しかしプロテクションが取れなく、ヌメりが強い為メンタル的には悪いピッチ。50mロープを延ばしテラス状にてピッチを切る。ランナーは残置ハーケン1つとカムの2か所のみだった。

1P 左岸の水線脇より離陸 立っているがホールドスタンスは豊富 ヌメリが酷い

2P ルンゼ状から高度を上げ左上しスラブ帯へ。傾斜は高度を上げるに連れ緩くなるがランナーが取れない。50mいっぱいロープを延ばし抜け口付近の岩にてピッチを切る。この区間もランナーはハーケン1本のみ。メンタル的に良くない。

2P ルンゼ状から上部スラブ所へ 高度を上げるに傾斜は緩むがランナウトが凄まじい

外山滝を抜ければ事実上、遡行終了になる。後は水流の少ない沢を辿り稜線へ。しかし此処からが非常に難儀する区間。

外山滝を処理すれば稜線まで詰めとなるが倒木が多く遡行とはかけ離れ苦行だった

沢は倒木ににより遡行困難な為、歩き易そうなラインを探りながら稜線まで抜けた。しかも長い、高差も有る。
大高巻、滝の登攀、デプローチの悪さ。三拍子そろってしまった。遡行記録が少ない訳だ。
しかし終了点は前白根のピーク直下へ突き上げ遡行の悪さから解放される感覚は格別だった。

苦行の詰めをこなせば前白根のピークへ突き上げる デプローチはともあれ終了点がピークとは爽快だ

下山は一般道より湯元へ。

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