女峰山北面 野門沢 布引滝

2026年2月16日~17日

メンバー:たぬき (会外)TK

天候 16日 晴れ後夜半より小雪 17日 晴れ

野門沢 布引滝。無雪期滝巡りをする方にとっては恐らく有名な滝だろう。しかし、厳冬期となれば氷結し落差130mの見事な氷瀑と化す。そして山屋にとっては登攀対象と化す。しかしその記録は余り公にされてこなかった。  所属する会の先人たちがこのエリアを開拓をしシークレットエリアにしたからだ。しかし昨今、女峰山北面のエリアは開拓が進み公に発表される。シークレットとし個有のエリアと称するのは時代の流れ的によろしく無いと考えた為記録を記載する。
一週間程前にまとまった降雪が有った為、ラッセルの労力を踏まえヘッデンの明かりを頼りに早めのアプローチ開始。ブルで除雪された林道を辿りゲートまで。ゲートから先は除雪はされていなかったものの直近でスノーモービルが入った為かラッセルは回避できた。モービルが入っていなければ膝下のラッセルを強いられただろう。助かった。長い林道をダラダラと足を進め終点へ。治山工事かの資材置き場になっている。此処まで2時間程だった。
布引滝への標識に従い遊歩道へ。少し行くとショートカット用のピンクテープが巻かれていられる。急斜面をトラバースする為、全装では非常に悪かった。一般道を辿った方が労力的には負担が少ないと感じた。
遊歩道に導かれベンチ広場へ。

ベンチ広場 平坦地が多く幕営地には最適

ベンチが設置されている広場と有って平坦地が多く更に直ぐ脇には水量豊富な沢が有るので幕営には適している。設営後布引滝向けアプローチ。積雪によりルートは不明瞭だったが頻繁に現れるピンクテープに導かれ沢床へ降り立ち遡行し直ぐに前衛滝へ到達。

布引滝前衛滝 幕営地から近いがトレースが無いと落とし穴が酷かった

左岸より高巻は出来るが準備運動を兼ねフリーで抜ける。

前衛滝はフリーで抜ける 準備運動には最適だ

前衛滝を処理すれば前方には氷瀑と化した落差130mの巨瀑が現れる。取り付きまでは100m程ゴーロ帯を詰めるが落とし穴が非常に多かった為、注意が必要。

布引滝本瀑に出迎えられる 落差130mの巨瀑は圧巻

布引滝 落差は130m程有するが直瀑では無く大まかに分け三段構成の為、段ごとに記録を記載する。各ピッチはロープスケルな為合計は130mを越える ( )内は個人的な体感グレード スケル
【布引滝】
1P(Ⅴ 50m)
正面のデルタを処理し離陸。取り付きより望むにラインをデルタから左へ引く方が弱点に感じたが左へ乗り移る個所がバランシーで非常に悪そうだったため正面の浅い凹角へラインを取り直上。ステミングは効くがバーチカルの処理。右側面の氷が非常に薄く神経を使いながら高度を上げる。落ち口付近の氷厚が薄く慎重に抜け終了点へ。頼りない岩にスリングを巻いて切る。

1P 正面中央のバーチカルへラインを取り離陸

2P(Ⅴ 55m)
見た目は階段状で容易に見えるが取り付けばバーチカルの処理。下部は氷が安定し快適だが上部から一気に氷厚が薄くなり緊張を強いられる。落ち口が非常に薄く、と言うより殆ど無い状態だった。仕方なく右岸岩壁に着いたベルクラにアックスアイゼンを誤魔化しながら引っ掛けジワジワ抜ける。生きた心地がしなかった。終了点は残置アバラコフにスクリュウーで補強し切る

2P 直瀑でない為取り付きより15m程歩き取り付く
段に見えていたが段の高差が大きく体感的にはバーチカルの処理

3P(Ⅴ⁻ 50m)
このピッチも見た目は容易に見えるが離陸すれば思いの外悪かった。バーチカルでは無いが氷の形状が複雑でライン取りによっては難儀するだろう。このピッチも落ち口は氷厚が薄く抜けるのには緊張を強いられる

3P 氷質が悪く形状が複雑な為ライン取りには注意が必要だった

終了点は右岸立木にて。

【下降】
同ルート60m連結にて各ピッチ終了点まで懸垂にて取り付きへ
前衛滝のみ右岸の立木にて60m1本にて懸垂

下山時 本瀑の横には同等のスケールの布引右 再訪の口実が出来た

【備考】
幕営適地のベンチ広場から前衛滝まではトレースが有れば30分は掛からないだろう。無くても一時間で行けると感じた。
林道の積雪状態にもよるだろうがコンディションが良ければ十分日帰りも可能に感じた。
翌日、布引右に登攀予定でいたがトラブルにより断念し下山。
また再訪しよう。

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