雲竜渓谷 雲竜瀑

2022年2月14日  メンバー たぬき 他1名

天候 曇りのち晴れ

約10年ほど前に山岳紙に掲載された事により爆発的に知名度が広がった雲竜渓谷。
昨今では多くのハイカーを迎え山行を楽しむ事が出来る一方、人気と比例するように駐車、マナー問題も上がる。今後、多々の規制が掛かるのは心配だが、貴重な地元の資源を楽しみに雲竜渓谷 雲竜瀑へ氷を楽しみ行ってきました。
またしても前日は関東平野に降雪予報。平野部では積雪は無かったものの、山間では間違いなく積雪が予想される。南岸低気圧は思いの他、列島下方を通過する為ドカ雪は免れると推測し山行を実行。
降雪直後の平日とも有り貸し切りの雲竜と思いきや、続々と後続が来られ人気の高さを実感する中アプローチ開始。
最近では堰堤ルートが主流となっている様だが、通い慣れた林道ルートに足を進める。
心配していた積雪は予想していた以上に少なく快適に進み雲竜渓谷へ。
入渓。昨今は暖冬の為発達しなかった友知らずの氷瀑に出迎えられ高揚する。更に足を進めると、燕岩の氷柱群。

燕岩の氷柱群

此処も氷が発達し素晴らしい光景だった。 更に上部には本瀑を望む。本爆下部1P目は、きっちり氷は繋がり快適そう。上部2Pも繋がっており登攀意欲と相乗するように高度を上げ本瀑取り付き基部へ。

アプローチより望む本瀑全容
上部まできっちり氷はつながっている事を確認

何度も訪れている本瀑だが、やはり毎回緊張が有る中、準備を整え登攀開始。
( )内は個人的な体感グレード スケル

1P(Ⅴ 60m)
デルタより高度を上げ、デルタ上部より右上し浅い凹角へラインを取る。此処からルート上の核心へ入る。浅い凹角とは言えバーチカル。更に登攀スケルは長い為、体力の消耗は激しいが所々レストポイントが有る為慎重に核心を抜ける。

核心の1P
弱点を突き慎重に高度を上げる

中間核心部を抜ければ徐々に傾斜は緩むも氷が薄く緊張は続く。
60mいっぱい伸ばしハングした岩付近の暖斜面でスクリュー2本にて支点構築。

1P終了点より迎え入れられる
高度感が素晴らしい

2P(Ⅳ? 60m)
登りだしより望む2Pは氷は繋がり快適そうに見え、高度を上げる。しかし高度を上げるにつれ氷質は最悪だった。既にアバラコフを作り下降する程の氷の強度は無く緊張を強いられながら高度を上げる。
技術的には問題ないグレードだったが氷が非常に薄く、特に中間部は2~3㎝程の氷厚しか無い。更に氷の奥には流水が有り崩壊すれば溺死する事が脳裏をかすめる。
軽くアックスとアイゼンを蹴り込み丁寧に氷を処理し60mいっぱい伸ばし残置支点で切る。

2P 技術的には問題ないが氷質が非常に悪く緊張を強いられるピッチだった

【下降】
1P 残置ハーケンに捨て縄を補充し60m連結にて1P終了点まで
2P アバラコフで60m連結にて取りへ

懸垂にて取り付きへ帰還

今回の山行は、先月開催された栃木WCMにてザイルを組んだパートナーからのオーダーだった。
パートナー自身、Ⅴの付くロングアイスは初めてとの事であったが安定したリードで抜け素晴らしかった。
今後の成長に期待が持てると共に、自身も精進しなければ。

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