4月10日。メンバーげんき、弦。
つい先月まで氷と雪を触っていたなんて思えないほど、最近急に暖かくなってきました。
3月までは氷ばかりで全然岩に登っていなかったので、無雪期の足慣らしということで少し前のROCK&SNOWに掲載されていた西上州・黒滝山にあるルートへ行ってみることにしました。
以下、掲載されていたロクスノ94号です。
エリアは黒滝山九十九谷(くろたきやま くじゅうくたに)といいます。
太田で弦くんをピックアップし、高速で下仁田ICまで。
その後下道で道の駅なんもくを通過、黒滝山登山口駐車場を目指します。
駐車場は15台ほど停められそう。
駐車場で支度を済ませ、九十九谷登山口から山に入っていきます。
駐車場から登山口まで50m無いくらい近い。登山口に水場あり。
登山口入ってしばらくは樹林帯を進んでいきます。
マイナーな藪山にしてはよく歩かれているようで、踏み跡は明瞭でした。
5分ほど歩くと、左手に涸れ沢が出てきます。右手には尾根に上がっていく道がありますが、ルートは涸れ沢を詰めた先に向かいます。
進むと、だんだんと側壁が立ってきました。途中、沢は右俣と左俣に分かれます。
今回目指すルートは右俣を詰めた奥にあります。
正面が立ってくるところまで涸れ沢を詰めていきます。奥に岩壁と一筋の水流が見えました。
側壁に沿って進んでいくと、フリークライミングのルートがありました。
木の右側フェースにはハンガーボルトが打たれています。
クラックがあったり、遠い昔にフリーのゲレンデとして使われていたのか、開拓途中で止めちゃったのか解りませんが、そのような雰囲気でした。
取付きは傾斜のゆるい一枚岩のスラブ状。駐車場から歩きで15分ほどで1ピッチ目取付きに到着しました。
距離にして、駐車場から400mくらい。
スラブの上に落葉がたくさん積もっていて、めちゃくちゃ滑って難儀しました。
1ピッチ目、弦リード。
落葉の積もったビチャビチャのスラブを登っていきます。水の流れはチョロチョロ、うまく落葉をかき分けて乾いた岩を探して踏んでいきます。
本来のルートは左の水流がある方に行くようですが、濡れているうえにリスが無くてプロテクションが取れない。
リングボルトが打ってあるのを発見できたが、はるか上と一番下の2本だけでした。
ここは右のスラブから巻きました。
右から尾根の末端に乗り上がる。中間支点は残置リングボルト×1、ハーケン×1、灌木×2
1ピッチ目は上の写真、花が咲いている辺りの灌木でフォローをビレイ。
2ピッチ目。
1ピッチ目を巻いてしまい、2ピッチ目も続けて行きたいということで2ピッチ目も弦リード。
藪と土と岩ボロボロの尾根を行きます。ここは灌木がたくさんあり、支点には困りませんでした。
25mほど直上して2ピッチ目終了。
3ピッチ目のスタート。岩稜帯に入りました。
3ピッチ目はリード交代しました。
最初のボルダーに0.4番のカムを決めて左上、ピナクルが見えたのでそのままピナクルまでまっすぐ上ります。
ピナクルの右側をトラバース。
3ピッチ目のトラバース。スタンスもちょっと外傾していて、個人的にはここが1番怖かった。
トラバースの出だしにあるクラックに2番カムを決めたが、中間にプロテクションをとれるような所が無く、10mほどランナウト。
なおかつ、トラバースの真ん中辺りでロープ残り3mのコール。マジっすか。
トラバース終了の先に立派な木が生えているのが見えたが、そこまで届かず、近くの木を束ねてビレイ点を作りました。
4ピッチ目のスラブ帯。弦リード。
中間支点は灌木×3、残置リングボルト×1、ハーケン×1。
剥がれやすい岩質のスラブの上に枯葉がたくさん乗っていて、枯葉を掃除してホールドを探す作業が大変そうでした。
4ピッチ目終了点。
この後、5ピッチ目は歩き10m左上で岩稜帯末端へ乗り上げる。
6ピッチ目は上に見える岩稜帯を写真右方向へまっすぐ登っていく。
6ピッチ目。
岩稜帯に乗って、少し上を見ると残置ハーケンがあった。なかなかサビているが、ありがたく使わせてもらう。
ルート上にリングボルトはいくつか有ったが、ハーケンはこれ1本だけだった。
このハーケンの後にカチしかない1手もののボルダーが出てきて、2分ぐらいモジモジしてました。
フォローの弦くん曰く、体感4級くらいのボルダーとのこと。
乗っこせない大きい岩が出てきたので、左から巻きました。
岩の左に回り込んでから、灌木をつかんで直上。支点は灌木で取れます。
6ピッチ目の終了点は木で作成。
バックに見える隣の岩稜帯もなかなか良い感じでした。
7ピッチ目最初のボルダー。
ボルダーを越えると傾斜の強い藪に突入。
まっすぐ上がれば、数十メートルで登山道に飛び出るはず。
7ピッチ目最後のセクション。砂を固めたような岩質とイワヒバに苦戦。
右側は持つとボロボロ剥がれます。
最後は左の灌木をつかんで登山道に這い上がりました。
トップアウトし、登山道から。
後ろに下底瀬の集落が見える。
藪に覆われていますが、登ってくるとなかなか高度感ありました。
帰りは登山道を使って下山しました。
花の名前がわかりませんでしたが、下山路もところどころ咲いていて綺麗でした。
20分程度で九十九谷登山口まで戻ってきました。お疲れ様でした。
体感グレード
1ピッチ目 スラブ 5.10(水流があって登っていない)
2ピッチ目 歩き
3ピッチ目 岩稜帯 5.9
4ピッチ目 スラブ 5.8
5ピッチ目 歩き
6ピッチ目 岩稜帯 ボルダー4級
7ピッチ目 岩稜&藪 5.8
残置が少なく、灌木で支点は取れるものの、ボロい岩のセクションもあり、神経を使いました。
あと、ものすごくロープが屈曲して難儀しました。
トポの無い不明瞭な場所でルートファインディングしながらのクライミングとなり、中々充実した山行となりました。
※参考 このルートは10年くらい前に開拓されたルートで、最近のROCK&SNOWに掲載されました。
開拓した方のブログ