横岳西壁 大同心正面壁雲稜ルート

2022年7月20日  メンバーたぬき夫妻

天候 ガス

早々に梅雨明け宣言が出、長い盛夏により高所登攀が楽しめるかと思いきや、戻り梅雨の空模様。個人的にはフリーやジムトレにては物足りない休日消化に嫌気を差し、天候は若干不安定なものの比較的天候と相性の良い八ヶ岳へ高所登攀を楽しみに行ってきました。
天気予報では午前中は不安定なものの正午より安定する予報の為、この時期にしては少し遅めのアプローチ開始。予報通り空には分厚い雲が広がる。
予想していたが冴えない気持ちを片隅に置き、天候回復の予報に期待を込めながら足を進め鉱泉到着。
この時点で茅野市方面には所々青空が覗き天候回復の兆しが見え期待を込め、大同心稜の急登に喘ぐ。最近は水平移動が多かった為か、急登のアプローチに若干の新鮮さを感じ、大同心基部へ。
前日はまとまった降雨が有った為か、取り付きまで至るまでも山域全体が濡れていた。
大同心は上部に草付を有して無く、比較的立っている岩峰で西風にまともに晒される為、乾きが早いと予想したが期待は裏腹だった。更に天気は回復傾向の様相は見られるずむしろガスに包まれ悪化状態だった。
ガスに包まれた岩肌は乾くはずは無いのは明瞭だったが、取り付き敗退の文字は脳裏には無く準備を整え登攀開始。

基部をトラバースし取り付きへ
壁は濡れていた

【大同心正面壁 雲稜ルート】  ( )内は個人的な体感グレード スケル
1P(5.8 25m)
大同心基部より明瞭なバンドを辿り取り付きへ。
小さなテラスより離陸。出だし若干のランナウトをへ、中間部の薄被りの処理が核心。ガバだがホールドの信頼性に不安を抱きメンタル核心に感じる、
2P(5.8 25m)
冬と夏では毎回出だしルーファイに悩むが、直上し中間部の凹角に進路を取る。
出だしを処理し中間部へ。過去の経験から左のカンテに進路を取っていたが今回はトポ通り凹角に進路を取った。しかし濡れた凹角は一手だったが非常に悪く感じた。

中間部の凹角の処理
ビショビショで非常に悪い

3P(Ⅳ⁺ 50m)
浅い草付の凹角上に進路を取る。上部に見える魚の尾びれに見えるピナクル目指し高度を上げる。下部1,2Pのスッキリしたラインとは異なり草付が所々現れる。プロテクションもNPを要する所が現れる。途中トポ上に記載される終了点が現れるが、ロープ一杯伸ばしトラバース直前の終了点まで伸ばす。この場合ロープの流れに要注意。(初見では2Pに切った方が無難に感じる)
4P(Ⅲ⁻ 15m)
高度感あるバンドのトラバース。一か所出っ張った岩峰の処理が有るが通過は写真映えスポットか!

高度感あるトラバース

5P(5.9 25m)
出だし階段状のフェースより。高度を上げるにつれ壁は立ってくる。中間部より右のカンテにラインを移す。人工ルートとなっている為支点は豊富だが、濡れているので慎重に処理し終了点へ

大同心のかしらから
ガスの切れ間より

終了点からはガスで展望は無い。時計を見ると正午前、このまま他のルートを継続するかと思うも、ガスに覆われた空間には登攀意欲が沸かず休憩する事無く早々に下降開始。
下山後鉱泉より望む横岳西壁はガスから顔を出していた。良くある光景だな~!
天候はともあれ久しぶりに充実した山行となりました。

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