谷川岳 幽ノ沢V字状岩壁左ルート

2022年9月30日  メンバー たぬき GEN

天候 終日快晴

無雪期シーズン前半は、天候に恵まれず山に行けない日々を送りストレスを抱く日々が続いたものの、初秋に入り休日と好天候のサイクルが合点する。出だしのストレスからすれば有難い条件だ。

個人的には連週の山行の疲れが蓄積するも、パートナーから山行のお誘い。 1週間程好天に恵まれ岩のコンディションは良好となれば疲れを理由に山行取り止めは山屋としては皆無。  好条件の下、岩を楽しみに幽ノ沢 V左に行ってきました。

幽ノ沢出合にて日の出を迎える行程でベースプラザよりアプローチ開始。新月に近いせいか月明りは全くないが空には星光が降り注ぎ、本日の好天を約束されながら平坦な林道を辿り幽ノ沢出合へ。
予定通り、幽ノ沢出合にて日の出を迎え幽ノ沢、遡行開始。

幽ノ沢の遡行は乾いていて快適

好天候が続いた為だろう、この時期にしては水流は少なくアプローチシューズで問題なく遡行出来た。悪そうな所には所々Fixが有ったが、途中で破断している状況。

アプローチ核心の大滝にはFixが無かった為、条件次第ではスタカットの必要有と感じた。

アプローチ核心の大滝にはFIXは無くフリーで登る 岩は乾いていて問題なし

途中左岸を高巻しカールボーデンへ高度を上げる。徐々に傾斜が増す為、クライミングシューズ、ガチャ装備のタイミングは早めにとった方が良いと感じる。
右俣リンネと並行しⅢ程の岩に高度を上げ取り付きへ。下部暖斜面で登攀装備は整えていた為、テラスにてロープを結び登攀開始。

カールボーデンより快晴の幽ノ沢岩壁

( )内は個人的な体感グレード、スケル

【V字状岩壁左ルート】
1P(Ⅲ 25m)
取り付きテラスから右俣リンネを越え対岸のリッジまでトラバース

1P
右俣リンネを越えトラバース

2P(Ⅲ 30m)
テラスより2m程クライムダウンし要のテラスまで右上気味にトラバース

2P
要のテラス向け右上気味にトラバース  出だし2m程のクライムダウンが嫌らしい

3P(Ⅲ⁺ 45m)
スラブを直上。ライン的にはV右(Ⅳピッチ)の15m程左のラインを並行して辿る感じに感じた。

3P
階段状のスラブを直上

4P(Ⅲ⁺ 50m)
左上部に見える黒々とした垂壁基部まで階段状のスラブを左上し核心ピッチ基部で切る。

4P
黒光りする上部岩壁基部左端を目指し高度を上げる

《持参したトポではⅣ 40mのピッチの登攀が無かった為、不安を抱くも目視出来る壁の状況は核心ピッチに間違いないと判断》
5P(5.9 40m)
ルート上の核心ピッチ。常に条件が悪いと記載されていたが、乾いていて快適。更に岩は安定していた。トポ上ではA1と記載されているがフリーで抜ける。条件が良ければ非常に快適で高所にてフリーを楽しめる区間に感じた。

5P
ルート上の核心ピッチ トポにはA1と記載されているが岩は乾いていた為フリーで抜ける

(A1となっているが残置は3~4m程の間隔な為、ラダーの認識で挑むと意表を突かれる可能性有)
6P(Ⅲ 90mコンテ)
階段状のスラブをコンテで詰めV右終了点の上に出る

6P
コンテで階段状を詰める

(V左 事実上の登攀終了点)

7P(Ⅲ 45m)本来ならロープをたたみ、笹付尾根を詰め堅炭尾根へ向かうが、ルーファイミスし笹付尾根の右側のスラブを詰めた。(終始スタカット)
8P(Ⅲ 50m)露岩交じりの草付をスカイライン目指し高度を上げれば、堅炭尾根へ突き上げ登攀終了。

【下降】
下降は芝倉沢経由にて高度を下げる。時期的にブッシュ、笹が多く非常にルートが分かりずらい。視界不良時は非常に神経を使う区間。

下山は堅炭尾根から芝倉沢経由 藪が濃く下山も緊張を強いられながら高度を下げる

状況が悪いときはβルンゼの下降も視野に置いとくと保険に繋がると感じた。
(芝倉沢下降は迷わなければβルンゼの下降時間は大差無いと感じた)

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