女峰山北面 上タケ沢の氷柱群 暗黒峡チャンピオン

2023年1月9日

メンバーたぬき 他1名

天候 晴れ

数年前に山岳紙にて発表された上タケ沢の氷柱群。
初めて訪れた時、50mオバーの氷柱が乱立する光景には衝撃を受けた。
登攀となると快適な登攀とは一線をかくし挑戦的なエリア。快適で楽しめる山行も魅力だが、山屋としては挑戦する事が性。時期的に若干早いかと思いつつも、上タケ沢へアイスに挑戦しに行ってきました。
休業中の蕎麦屋駐車スペースより日の出と共にアプローチ開始。例年なら肌を刺すような冷気が襲うが、暖気が入った為かグローブを外しての身支度には支障の無い暖かさの中、単調な車道を20分程辿り渡渉地点へ。
上タケ沢出合上流の大岩を目印に渡渉。水量は長靴ギリギリの水深だった。

タケ沢出合は急峻なゴルジュになっている為、左岸の急斜面より高巻く。
3連休の最終日と有ってトレースに期待をしていたが無かった。他力本願を期待していた事に反省。高巻を終えれば、なだらかな山腹に足を進め途中より沢へ降り立つ。
沢床に転がる岩に雪が乗り非常に歩きにくく難儀しながら沢を詰め氷柱群へ。

単調で長い河原を詰め氷瀑群へ足を進める

平坦な河原から突如と現れる氷柱は圧巻の一言。看板ルートであるホワイトスペシャルに出迎えられ少し進めば神々の業。どちらも繋がっているが育ちが甘く、トポのグレードよりワンランク上に感じ、暗黒峡の氷柱群の氷質へ不安を抱くも足を進め前衛瀑へ

看板ルートであるホワイトスペシャルに出迎えられる

。氷結状態が悪く、丁寧に氷を処理しフリーで越え暗黒峡内へ。

氷が薄く非常に悪い前衛瀑はフリーで抜ける

暗黒峡と言う陰鬱な響きとは対照的に氷の神殿の様で神秘的な空間が広がる。
今回登攀するチャンピオンのラインは取り付きから望むからには、下部は水氷だが上部核心は安定している様に感じた。しかし時期が早い為か氷は立っている。オブザべするにグレードはワンランク上に感じた。

暗黒峡は氷の神殿の様で神秘的

準備を整え登攀開始。
【チャンピオン】
出だしは直ぐ隣のSMILEとラインを共有するⅣ⁺程の氷を処理し30m程高度を上げる。所々シャワーが有るが、ラインを選べば登攀には問題は無い。しかし全体的に水氷だったためステンのスクリュウーが有効だった。

下部はSMILEと共有する為グイグイ高度を上げる

下部を抜ければ核心へ。氷質は一気に硬い氷に変わり直瀑になる。
取り付きから望んだ核心区間は遠近感により短く感じたが、実際目前で臨むとバーチカル部分は15m以上は有った。トポではⅤと有るが時期が早い為か体感では完全にプラスが付く状態。

核心突入

アックステンションを屈指し、時間をかけながら核心を抜ける。状況から察するに、今シーズン入ったパーティー無い感じだった為、アイスへ打ち込む度氷塊が剥がれ難儀した。
核心を抜ければ一気に傾斜は落ちるがパンプした腕には気は抜けない区間。10m程伸ばし大立木で切る。

不甲斐ないが状態が悪い中トップアウト出来た。しかし再訪しなければ。チャンピオンに約束し下山。

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