荒船山艫岩 昇天の氷柱

2023年1月19日 メンバーたぬき 他1名

天候 晴れ

本来アイスの山行を予定していたが、数日前に季節外れの暖気が入り氷質への心配がされた為、氷結状態が悪くてもMIXを交えながらなら登攀出来るであろう昇天の氷柱へ冬季登攀を楽しみに行ってきました。
日が昇る早朝アプローチ開始。駐車スペースより積雪は無く拍子抜けする中、山腹を巻くように付けられた一般道を辿り一般道離脱地点である一杯水まで。冷え込みは少なかったが山肌を覆う樹林には霧氷が綺麗に付着し快適だった。

積雪は無いが綺麗な霧氷の中アプローチ
登攀を前に心が和む

一杯水より一般道を離脱し取り付きへ向かう。相変わらず積雪は無い。しかし積雪が無い為か薄っすらと引かれた踏み跡に導かれ足を進め途中、攀船記の取り付きを確認。今後の課題になるか?  攀船記を見送り目的である昇天の氷柱へ足を進め取り付きへ到着。
取り付きより望む1P目は暖気の影響は感じさせない程立派に育っていた。

昇天の氷柱取り付き
1Pの氷は立派に育っていた

準備を整え登攀開始。( )内は個人的な体感グレード、スケル
【昇天の氷柱】
1P(Ⅴ⁻ 40m)
出だし中央の浅い凹角状へラインを取ろうと離陸するがアックスを打ち込むと氷が異常に剥がれる為、右端のランぺ状へラインを移し高度を上げる。中央のラインに比べれば若干氷質は安定している様だったが氷が剥がれる事は変わりなく緊張を強いられながら高度を上げ洞穴直下へ。洞穴は抜けられそうだったがアックスを振ることが難儀しそうなので左のチムニーへラインを取る。完全なドライセクションに変わり狭いチムニーにバックアンドフットでジワジワ高度を上げ上部大立木でピッチを切る。

1P 出だし中央へラインを取るも氷質が不安定な為右端へ移り高度を上げる

2P(Ⅳ⁻ 25m)
出だし右壁のドライより高度を上げる。中間部にて氷へ乗り移り高度を上げる。氷に乗り移ってからの数手がⅣ?程で上部はナメ。安定したテラスにてスクリューにてピッチを切る。

2P ドライから貧弱な氷に繋げる 見た目より容易で快適なピッチ

3P(Ⅴ 35m)
想定していたよりも氷は有ったが育ちが甘く氷は立っている。ただ安心なのはこの区間はハンガーが設置されている為精神的には安堵しながら離陸。しかし氷質は悪い。所々現れるハンガーは壁の側面に有る為、氷の成長が甘いことから背面にクリップする状態だった。
何れにせよ悪い状態での登攀が続く。
品祖な氷にアックスを決め、ベルクラにスタンスを拾い高度を上げる様は緊張だった。ハンガー2本でピッチを切る

3P 品祖な氷にアックスを決めベルクラにスタンスを拾い高度を上げる

4P(Ⅴ 25m)
終了点から望む登攀ラインは品祖な氷が申し訳なく着く程度で名物である傘はいかにも落ちそうな様相だった。出だしチムニー奥に有る氷に無理やりアックスを決め離陸。この区間も氷にアックスを誤魔化しながら決めベルクラ、岩にスタンスを拾いながら高度を上げる。核心傘越えは心配が的中。1m弱張り出していた傘は完全に崩落した。リード、ビレイヤーと共怪我がなく幸いだった。
上部は氷が一気に無くなりドライ要素が強かった。
上部立木でピッチを切り登攀終了。

4P 申し訳なく氷が付き上部には未発達の傘 この後傘は崩落

ガチャを落としたため下降は同ルート懸垂にて取り付きへ。

毎回訪れる度に表情が変わる昇天の氷柱。来シーズンはどんな表情を見せてくれるのか楽しみだ。温暖化の影響か訪れる度に痩せる氷には、蜘蛛の糸とでも改名したした方が個人的には良い気がする。

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