足尾 松木沢ジャンダルム中央壁 直上ルート

2023年3月21日 メンバ―たぬき 他1名

天候 晴れ

関東は桜の開花宣言が続々と届き春分の日を迎え、冬季アルパインシーズンも終盤に差し掛かる中、高所登攀にてはまだまだ雪稜、冬壁を楽しめるエリアは有る。
個人的には今シーズンのアイス終了。
再び冬壁を想定したトレーニングを兼ね通い慣れた足尾へドライを楽しみに行ってきました。
銅親水公園よりアプローチ。暖かい空気の中、平坦なアプローチ道を進みジャンダルム直下の渡渉地点へ。近々で橋を架ける様相で工事中断になっている様だったが沢床にはブロックが敷かれ飛び石伝いに渡れることが出来、裸足にならず渡渉。
渡渉後、ザレた斜面に汗をかかぬよう牛歩にて高度を上げ直上ルート取り付きへ。
取り付きからルートを望むに、立った顕著なチムニーの壁は完全なドライ。気温も適温で快適な登攀が約束される中、準備を整え登攀開始。
【中央壁 直上ルート】
1P(Ⅴ 25m)
垂直のチムニー状から離陸開始。ホールドは少ないがフッキングが良く効く。中間部左のテラス状から右のカンテ状へ移る所が悪く感じた。垂直のチムニーを抜け細い立木とカムでピッチを切る

1P 顕著なチムニーより離陸

2P(Ⅴ 35m)
正面にはスラブが広がるが、ラインは左のコーナークラックへ取る。クラックへプロテクションを取り、スラブへスタンスを拾いながら高度を上げるには痺れた。
コーナースラブの処理は#4~#5が有れば有効に感じた。
コーナースラブを抜けると上部には2本走るコーナークラックへ。
左はオフィズス、右はハンド。左のオフィズスを主に全身を擦りつけながらジワジワ高度を上げる。このピッチも#4~#5のカムが有効だったが下部スラブ帯で使用した為プロテクションの設置に気を使いながら高度を上げる。抜け口は短いが2手程草付になる為、アックスを打ち込み抜ける。

2P ルート上の核心ピッチ スラブの処理が嫌らしい

3P(Ⅳ 45m)
本来ならばフェース中央に走るクラックが正規直上ルートなのだが、このピッチのみ左ルートへラインを取る。
カンテ状から離陸しフェース左のクラックへ高度を上げる。20m程で下部岩壁を抜け、上部はガレた大バンドへ。ロープを引きずり大スラブ基部へ。
4P(Ⅴ⁻ 45m)
大スラブには顕著なクラックが3本走る。右(中央ルンゼ)中央(直上ルート)左(左ルート)。出だしはハンドサイズで快適に高度を上げるがダブルクラックが有る付近より一気に悪くなる。クラックにアックスをジャムし誤魔化しながら高度を上げる。非常に神経を使う区間。 上部に行くにつれ傾斜は緩むがスラブ状な為気は抜けない。

4P 中央のクラックへ
トルキングしながら高度を上げる

5P(Ⅳ 30m)
階段状の岩壁に右上する様にラインを引く。フッキングがあまり宜しく無い為、ホールドを掴みながら高度を上げる。全体的には階段状だが部分的に悪い個所が数か所出てくる

5P 直上ルート最終ピッチ

6P(Ⅲ 20m)
コブシ岩基部を左から巻きガレた凹角へ。 ロープを引きずりフリーで抜けるが、ロープが屈曲する為スタックには注意。
凹角を抜ければジャンのトップへ突き上げ登攀終了。

(おまけ 7P)
コブシ岩の直登。フラットソールでは抜けたことが有るが、ドライではどの様に体感が変化するのか興味があった為、ジャンのトップからロワダウンし登り返す。短いながら非常に悪かった。節理がフレアー気味なのでリードだとかなりの緊張を強いられる登攀になる様に感じた。

下山は側面下降路へ。
以前よりピンクテープは減ったが、薄っすらと有る踏み跡を辿りジャンダルム基部へザレを下降し下山。
天候、パートナーに恵まれ快適なドライを楽しむ事が出来ました。

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