鹿島槍ヶ岳 北壁主稜(敗退)

2023年3月29日~30日

メンバ―たぬき 他1名

天候 29日晴れ 30日快晴

今シーズンの目標の一つで有る鹿島槍ヶ岳北壁。山行の日は快晴予報の為、満を期して挑戦してきました。
ただ、今シーズンはあまり北壁の情報が上がって無い為、直近の壁の状態が把握出来ない不安が有った。
大谷原駐車場手前にはゲートが有り1キロ手前の駐車スペースに駐車しアプローチ開始。林道を辿り大谷原を過ぎ大冷沢沿いに積雪の殆ど無い河原を詰め取水口へ。
本来なら雪壁をトラバースして取水口へ入る様だが右岸に鉄製の通路が出ていた為、難なく通過することが出来、荒沢出合へ。出合より少し進んだ所より右の斜面に取り付く。
積雪は全く無く、藪を掴みながら急斜面に喘ぎ尾根に乗る。尾根上には疎らに雪が付き高度を上げるにつれ雪は繋がり明瞭な稜線となっていった。
好天からの気温上昇の為、雪が腐り体力を奪われながら高度を上げると第1クロワールへ。

第1クロワール 雪質が悪いのでロープを出しての通過 上部は雪壁が破断していた 

雪壁上部が破断し雪質も良くないのでロープを出して通過。第1クロワールを過ぎると腐った雪のナイフリッジの通過し第2クロワールへ。

第2クロワールへ向けて
天狗尾根核心部は壁の様にそそり立つ
ナイフリッジの通過
雪が腐り悪いので馬乗りになって通過する個所も有った

此処も上部が破断し雪が繋がっていない状態。破断面を避けながら雪の繋がったラインに慎重に高度を上げ幕営予定地の天狗の鼻へ到着。
天狗の鼻からは北壁が目前に広がる。

北壁は着雪が少なく黒々としていた 悔しいが敗退を決意

しかし想定していたより北壁には着雪が少なく主稜取り付き付近は露岩が目立ち黒々としていた。
本来、幕営地である天狗の鼻までは8時間程で到達する予定だったが雪質が悪く10時間程掛かってしまった。
翌日も気温上昇が予想され壁の着雪の少なさ、雪質の悪さを考慮して敗退する事に。
翌朝、幕をたたみ下山開始。日差しを浴びた雪は一気に腐り始め、本日アタックをしなかった事を正当化し下山。

緊張を強いられながら腐ったナイフの下山

壁を目前にして敗退は悔しかった。

ads
最新情報をチェックしよう!