2023年12月8日 メンバーたぬき夫妻
天候 晴れ
師走に入り続々と冬季アルパイン情報が上がる。
氷雪により閉ざされていたルートが開くこの情報は本格的なアルパインシーズンの到来の知らせの様に感じる。
例年恒例と成りつつあるアルパイン初めはこの時期、絶対的な安定感のある八ヶ岳に冬季登攀を楽しみに行ってきました。
早朝、日の出と共にアプローチ開始。美濃戸より積雪は無く拍子抜けする。更に早朝の冷え込みもなく若干の不安を抱くが胸にしまいアプローチ開始。
堰堤広場より徐々に積雪が現れ冬景色へと変わって行き心躍る中、足を進め鉱泉へ。
軽く休憩をした後、裏同心へと進路を取る。
事前の情報から、裏同心は問題なく氷結していると言う事だった為、不安なく快適に足を進め取り付きへ。
情報通り氷結は良好、シーズン初めとも有りスッキリと氷が露出し快適な登攀が約束される中登攀開始。
【裏同心ルンゼ】
コンテで抜ける。
多くの情報が上がるので詳細は割愛
全体を通して氷結は良好。積雪も少なくスッキリと氷は露出している。
ただF3のみ氷は薄かったが登攀には問題無。
【大同心北西稜】 ( )内は個人的な体感 ロープスケル
1P(Ⅳ⁻ 25m)
顕著なピナクルを目指し凹角状にラインを取る。短いが草付が所々現れ以外に悪い。ピナクルにて切る
2P(Ⅲ⁻ 50m)
コンテに切り替え、バンド伝いにロープを延ばしコーナー(カンテ)を回り込み右上気味に階段を詰める
3P(Ⅲ 50m)
コンテにて、ルンゼ状を詰め上部は右のリッジ沿いに高度を上げる
4P(Ⅳ⁺ 30m)
出だしは傾斜が緩く感じるが、高度を上げるにつれ立って来る。上部抜け口付近にて草付になるが、草付付近が一番悪い。若干ランナウトする為、4P目がメンタル的には核心に思える
5P(Ⅳ 50m)
3m程右のフェースへトラバースした後凹状へライン取り、凹状を抜けるとルンゼを詰め上部灌木混じりの草付へ
6P(Ⅱ 50m)
上部核心のワイドクラック目指し雪稜を詰める
7P(Ⅴ 30m)
短いワイドクラックの通過。薄く被っているがホールドスタンスは豊富、ハンガーが打って有るので豪快に抜ける。ザックが有ると邪魔に感じる。ワイドクラックを抜けると階段状の草付を登り切れば大同心の頭へ突き上げる
終了点である大同心の頭に立てば終始、日の当たらなかったルートから一気に解放される。暖かい陽が降り注ぎ、高峰の峰々に出迎えられた様な高揚感を抱く。
しかし日差しは有ると言ってもい厳冬の八ヶ岳。そよ風が心身を冷やす為、早々に下山。
噓のように風の無い大同心稜を辿り帰路へ。