赤蜘蛛

2024年7月20日~22日

メンバー:ISK、KNZ、TOMO(会外)

甲斐駒のAフランケ赤蜘蛛に行ってきました。

長年計画を立て続けようやく行ってくることができました。

初日は七丈小屋でのテント設営と、翌日の下降路の偵察をします。

苦行となる黒戸尾根の登りは、幸いにも終止ガスがかかっており、5合目を過ぎると雨も降りだすなど暑さに苦しむことはありませんでした。

12時ごろテント設営を終えると、雨も完全に止み、時折日差しが差し込むようになったので、稜線にでるのにはちょうど良い天候でした。

8合目からの下降による偵察は40分程度降りたところで終了。もうイメージはついただろうということで早めに切り上げました。

 

2日目は2時45分テント場スタート。8合目岩小屋で昨日デポしたギアを装着し下降開始です。

偵察をしたおかげで迷いなく進むことができました。

残地フィックスを使用し下降する箇所が幾つもありました。

1時間半程度の下降で取り付きへ。

取付きから飛び込んでくる景色には圧倒されました。

5時45分スタート。うわさの遠いという2ピン目は自作の携帯チョンボ棒を使用して難なく処理しました。

朝一のクライミングは体も固く緊張しながらのスタートとなります。

2P目は体も少し慣れたところでしたが、40mのコーナークラックを目にすると気持ちが引き締まります。

下部は快適なハンドジャムが決まりましたが、上部は人工も交え進みました。トポではレイバックでどんどん登るようなことが書いてありましたが、そのようなメンタルは持ち合わせてはいません。

V字ハングへ向けて3P目のスタート。左側から乗越しますがボルト感覚も短く簡単と思いきや、乗越した後の濡れた草付きブッシュがいやらしくメンタル消費が進みました。

4P目は簡単な岩を登り大テラスまで。ここでゆっくりエネルギー補給します。

5P目はスラブのA1を交え確実に作業をこなせば問題なく核心部取付きへ導かれます。

6P目の核心部。ここまでかなり疲労がたまっており、この壁を見た瞬間、本当に登れるのか、登る楽しみより不安の方が大きくなりましたが、人工なので落ちることはないだろうと気を持つことができスタートしました。カムエイドに入る直前のハーケンが引き抜ける状態だったのには面喰いましたが、カムを使用し冷静に対処できました。また終了点にある3つのリングボルトのみで3人のハンギングを支えることに不安を感じましたが、もはや逃げ道はないのでなるようになれの感覚でした。

7P目は恐竜カンテを右に越えていきます。ボルトの間隔がやけに遠かったり、リングのないボルトに結ばれた2mmぐらいの紐(スリングではないよくわからない紐)に全体重をかけたりと何でもありで登りました。

8P目、9P目を終え頭の岩小屋へ着いたのは既に18時ごろ。遅い時間ではありましたが、その後は危険個所もないため、ゆっくり休憩し8合目に上がりました。

8合目では鳳凰三山と満月を正面に、しばらく写真をとったりとゆっくりと時間を費やしてから七丈小屋のテント場に下りました。

今回の山行、5月の時点ではあぶみ経験はほぼゼロの2人に声を掛け、その後週末の練習を重ねた結果、行ってくることができました。

アルパインは体力とメンタルを持ち合わせることは大前提ですが、行きたいという気持ちをパーティで共有することも大事なことだと感じる山行となりました。

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