ルート:南八ヶ岳 大同心雲稜ルート
メンバー:ゲンゲン、会外1名
計画すること11回!
天候悪化で中止すること10回 (1回は渋滞で撤退)
その執念のルートを、今回ついに登ることができた。
☆美濃戸口を03:00出発
夜空には星々がきらめき、
登山道には次々と、これまで見たことのない水流が現れる。
ああ、また雨が降ったか。
また今回もだめか。などと肩を落としながら大同心稜を駆け上がる。
☆取り付きに06:00到着
が、寒すぎる。ダウンに包まり、気温が上がるのを待ってからスタート。
☆08:30 登攀開始
ルート名:大同心雲稜
装備:60mダブルロープ、キャメロット#0.3〜#0.5(2セット)、ボールナッツ、ハーケン4枚、アルパインヌンチャク10本
グレード、スケルは体感とする
☆1ピッチ目(40m 5.9):ゲンゲンリード
使用ギヤ:#0.4、アルヌン6本
上部に垂れているスリングを目指し、ランペを直上する。下部は砂岩状で脆そうに見えるが、岩はしっかりとついている。
1ピン目以降は、大ガバが続き、のびのびと大きくムーブを出していく。要所にはピカピカのボルトが打たれ、安心感も強い。ハングは迂回することもできそうだが、支点は取れなそうだ。
しかし、朝イチで岩が冷たくしんどかった。
終了点は、ペツルボルト2本
☆2ピッチ目(30m 5.8〜5.9?):ゲンゲンリード
使用ギヤ:アルヌン8本
1ピッチ目から素直に直上する、ワンポイント核心。ルート上には支点が多く打たれ、迷うことはない。核心にもボルトがあり、安心して出ることができた。
ルートを外れない限り岩はしっかりしているが、核心を乗り越したところに崩壊の痕跡があり、そこだけ岩が脆くて少し痺れた。
最後は草付きとなる。終了点は、ペツルボルト2本
☆3ピッチ目(25m Ⅳ-):さちこリード
使用ギヤ:#0.3、ボールナッツ、アルヌン7本
右上に見えるサメのヒレのような岩へ向かう。5mほど登るとⅡ程度の草付きとなり、その後、Ⅳ-くらいの垂壁を右上。
垂壁からは効いたハーケンが大量に打たれてはいるが、全体的にグラつきがあり、大きな岩が平気で動くので慎重に登攀した。
終了点は、サメヒレ直下、甘めのRCC2本(#0.45で補強)
☆4ピッチ目(35m Ⅳ):ゲンゲンリード
使用ギヤ:#0.5、アルヌン8本
終了点より5mほど直上すると凹角状の垂壁となり、そこを越えると、上部のバンド帯に合流する。
正規の終了点までトラバースしてしまうと声が届かないという情報があったので、バンド帯に入ってすぐにある懸垂用のペツル2本で切った。
☆4.5ピッチ目(15m Ⅱ〜Ⅲ):さちこリード
使用ギヤ:アルヌン2本
トラバースのピッチ。ほぼ歩き。終了点は、ハーケンとボルト
☆5ピッチ目(30m 5.9):ゲンゲンリード
使用ギヤ:アルヌン9本
最終ピッチは、左から小ハングへ砂岩状の岩を直上する。
岩は硬いと情報にあったが、丸いホールドがもげそうで恐ろしい。気持ちが負けて、ついにハングでA0をしてしまった。
小ハングを越えてからは岩質が変わり、右のカンテへ。ここからは岩が硬く快適。
支点が大量に打ってあり、ノリノリで取っていくと弾切れする。
終了点はRCCとボルトで構築
☆13:30登攀終了
ほぼ全てのピッチがフリーのようで気持ちよく、アプローチも下山も快適で、余裕を持って行動ができた。
本当に天候核心のルートだった。