2024年12月12日 メンバー たぬき夫妻
天候 張れ 微風
本格的なアルパインシーズンに突入し序盤に訪れる八ヶ岳。もはやルーティーン化しているが、気象条件、着雪等で状況が変化し飽きさせない。新鮮さには若干かけるが、やはり毎年訪れよう。と言う事で、今シーズンもルーティーンを守るべく八ヶ岳へ雪山を楽しみに行ってきました。
日の出と共に美濃戸よりアプローチ開始。
シーズン序盤とは言え、厳冬期の八ヶ岳の早朝は肌を刺すような冷気が漂う。しかしこの凛とした空気と、林道に薄っすらと積もった雪を踏むたびキュキュッと鳴く音に心地良さを感じながら足を進め中継地点である赤岳鉱泉へ。
鉱泉から望む大同心は岩峰と言うより氷塊と言う表現の方が適してい様に感じ、今回の登攀は手強そうだった。
気を引き締め裏同心ルンゼへ向かう。
通い慣れた裏同心ルンゼだが念の為、安全を考慮しランニングコンテで抜ける。氷結状態は良いが各氷瀑抜け口地点は氷が薄くアックスを打ち込む作業には神経を使う。
【裏同心ルンゼ~大同心北西稜】
( )内は個人的な体感グレード、スケル
【裏同心ルンゼ】
ランニングコンテで抜ける。
多くの情報が上がるので詳細は割愛
全体を通して氷結は良好。積雪も少なくスッキリと氷は露出している。
【大同心北西稜】
1P(Ⅳ⁻ 25m)
顕著なピナクルを目指し凹角状にラインを取る。短いが草付が所々現れ以外に悪い。ピナクルにて切る
2P(Ⅲ⁻ 50m)
コンテに切り替え、バンド伝いにロープを延ばしコーナー(カンテ)を回り込み右上気味に階段を詰める
3P(Ⅲ 50m)
コンテにて、ルンゼ状を詰め上部は右のリッジ沿いに高度を上げる
4P(Ⅳ⁺ 30m)
出だしは傾斜が緩く感じるが、高度を上げるにつれ立って来る。上部抜け口付近にて草付になるが、草付付近が一番悪い。若干ランナウトする為、4P目がメンタル的には核心に思える
5P(Ⅳ 50m)
3m程右のフェースへトラバースした後凹状へライン取り、凹状を抜けるとルンゼを詰め上部灌木混じりの草付へ
6P(Ⅱ 50m)
上部核心のワイドクラック目指し雪稜を詰める
7P(Ⅴ 30m)
短いワイドクラックの通過。薄く被っているがホールドスタンスは豊富、ハンガーが打って有るので豪快に抜ける。ザックが有ると邪魔に感じる。ワイドクラックを抜けると階段状の草付を登り切れば大同心の頭へ突き上げる
終了点である大同心の頭に立てば終始、日の当たらなかったルートから一気に解放される。暖かい陽が降り注ぎ、高峰の峰々に出迎えられた様な高揚感を抱く。
しかし日差しは有ると言ってもい厳冬の八ヶ岳。そよ風が心身を冷やす為、早々に下山。
噓のように風の無い大同心稜を辿り帰路へ。