南ア 大武沢一ノ沢大滝

2025年1月22日~23日  メンバーたぬき夫妻

天候 22日晴れ 23日晴れ時々曇り

大武川 一沢大滝と聞いてピンとくる人は少ないだろう。しかし氷を楽しむ人間にとっては一度は訪れてみたいた氷瀑だ。
落差ロープスケルにて約170mと通常では有り得ない巨大な滝が氷結し登攀対象となる様は憧れる。そして登攀してみたい。そんな気持ちが沸くものの、今まで足を延ばさなかったのはアプローチが悪いと言う情報が有ったからだ。しかし今年に入りSNS上には記録が上がり氷結状況は良さそうだ。昨今の天候周期を考慮すると氷結状態の良いシーズンに登攀してしまった方が良いだろう。 山は逃げないと言う方もいるが加齢やタイミングなどを考慮すれば山はものすごい勢いで逃げて行くように個人的には思う。
そうなればチャンスを生かそう。今までアプローチに懸念していたが上記の重いから重い腰を上げ大武沢 一ノ沢大滝へ巨大氷瀑を楽しみに行ってきました。
今回の山行は2日間の行程。 初日にアプローチを済ませそのまま登攀し幕営。翌日は下山のみの行程で挑みます。

22日 林道終点のゲート前駐車スペースよりアプローチ開始。林道離脱地点で明るくなる事を算段しヘッデンの明かりを頼りに足を進め、予定通り林道離脱地点で地形を確認できる地点へ到達。昨今では一ノ沢を忠実に詰める情報は無く、大方はP13932へ登り一ノ沢へ下降するアプローチが主流となっている為、豪に従う。
GPSで方角を確認し急な斜面へ取り付く。一気に急斜面を登り切れば痩せ尾根へ突き上げ高度を上げる。重荷を背負って痩せ尾根の登行はバランスが悪く慎重に通過。高度を上げるにつれ尾根は傾斜が緩くなるがダラダラと長く目的であるP1393を目指しなだらかなピークより眼下に見える一ノ沢へ伸びる尾根へ進路を変え下降。
対岸には登攀予定の大滝が遠望出来た。大きい。巨大だ。モチベーションが上がるが。

P1393から対岸に大滝を遠望 巨大だ

P1393からの激下降にはその思いは閉口。
悪い。悪すぎる下降を慎重にこなし一ノ沢へ降り立ち遡行。直ぐに下の大滝が現れるが本日中に主瀑をこなす予定から左岸から高巻下の大滝落ち口付近まで。巻きは容易との情報も有るが、全装ではかなり悪く感じた。

下の大滝は繋がっているが氷が薄く巻く 

下の大滝落ち口付近に設営。他にも幕営適所が多数確認出来た。
設営後早々に大滝へアプローチ。
沢は直接遡行せず巻きで高度を上げる。ルーファイ能力が試される。非常に悪い。慎重に高度を上げ大滝基部へ。
取り付きより望む氷瀑は巨大だった。ただ個人的に直前にして望む巨瀑は戦慄を抱くと感じていたがその感情は無かった。何故だ?アプローチが悪すぎた為か氷の登攀が快適にシフトせいだろう。ともあれ登攀へ対しての緊張は変わりない。

一ノ沢大滝 比較出来るものが無いから伝わりにくいが巨大だ

準備を整え登攀開始

【大武川 一ノ沢大滝】( )内は個人的な体感グレード スケル
登攀スケルは170mの為3Pにて登攀を記録する
1P(Ⅳ 60m)
フェース状の氷より離陸開始。出だしがⅣが付くように感じた。氷質は良好でグイグイ高度を上げる。中間部より傾斜は落ち始め左岸の岩肌へ右上気味に高度を上げテラスにてRCC2本にて切る。(スクリュウー6本使用)

1P登攀開始 長い登攀が始まる

2P(Ⅴ⁻ 60m)
左岸寄りに高度を上げる。氷質は安定し快適だが長い。技術的な登攀は勿論だが、体力的にもきつい区間になるだろう。アプローチをこなしそのまま登攀となればキツイ区間だった。上部暖斜面にてスクリュー2本で切る。(スクリュウー10本使用)

2P 核心ピッチ技術的には難しくないが登攀距離が長い為体力の消耗が激しい

3P(Ⅲ 40m)
おまけ的なピッチ。暖斜面からナメへ。
抜け口直下の安定した氷にて登攀終了。

3P 終了点よりフォローを迎え入れる

【下降】
下降① 3P終了点からアバラコフにて50m程懸垂
下降② 下降中に有った残置アバラコフにて50m懸垂
下降③ RCC支点より60m懸垂

下降はアバラコフにて同ルート懸垂

23日 下山のみ。
しかし非常にデプローチが悪い為林道へ降り立つまで気は抜けなかった

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