2025年4月20日 メンバー たぬき KNZ げんちゃん
天候 終日曇天
桜前線が列島を北上しきり本格的なアルパインシーズンは幕を閉じる。個人的には少し寂しい感情が有るが自然の摂理。素直に受け止め気持ちを切り替え無雪期アルパインへ気持ちをシフトしシーズン初めに通い慣れた足尾へ岩を楽しみに行ってきました。今回目指すルートは幕岩に引かれたレンジャーチムニールート。ただ、このルートは2P抜けた時点で終了し物足りなさを感じる為上部の岩壁へ継続し稜線まで抜ける計画で挑みます。
銅親水公園よりアプローチ開始。既に平野部では桜は過去の存在と化しているが、親水公園周辺は桜花が力強く咲き心が和む中足を進める。
出だしから曇天に見舞われたが、風は無く生暖かい空気に覆われ足を進める程に身体は火照り暑い。足尾の顔であるジャンダルムに見送られ幕岩へ。
対岸から望む幕岩は松木沢から直にそそり立ち圧巻の存在。壁の高差、幅と言い幕の様な壁はネーミングのセンスの良さを感じる。

松木沢を渡渉。例年に比べると水量は多かった。浅瀬を探し膝下の渡渉だったが浅いわりに水圧が強く注意が必要に感じた。

チムニールート取り付きへ。堰堤を越し直ぐに対岸に見える顕著なチムニーが目印な為、迷う事は少ないと感じる。ほんの僅かガレを登ると取り付きへ。
準備を整え登攀開始 ( )内は個人的な体感グレード スケル
【レンジャーチムニールート】
1P 5.9(Ⅴ⁺ 25m)
離陸しルンゼ状を詰めチムニー直下へ。チムニーは左右に二つに分かれ選択に迷う。事前の調べでは右の方がグレードが若干低めと認識していた為取り付くが個人的には不向きな為仕切り直し。左のチムニーへラインを取る。所々濡れていたが左壁にホールドを求めバックアンドフットを屈しながらジワジワ高度を上げる。途中2か所ハンガーが打ってあった為メンタルには癒しのサプリに感じつつ高度を上げチムニーがつぼまる直下にて右上へラインを切り返し抜ければ直ぐにハンガー2本の終了点へ。


2P 5.8(Ⅴ⁻ 25m)
チムニーを詰め最奥部より上部へ向かい高度を上げる。純粋なワイドチムニーの登攀な為プロテクションの設置が難しい。中間部に残置ハーケンが有り上部抜け口付近にハンガーが1本確認出来たのみ。途中NP2つ設置で抜ける。バックアンドフットが効く為、技術的よりランナウトに耐えるメンタルが必要なピッチだった。チムニーを抜ければ短いが日の当たる岩壁にラインを移しハンガー2本打たれた終了点へ。

【上部岩壁まで】
1P (Ⅲ 50m)
ブッシュ混じりのルンゼ状を詰める。初見な為ビレイしたがコンテ、フリーでも問題ない様に感じた。
2P(Ⅱ 50m)
ロープをたたみ、対岸にギャップ気味に鎮座する上部岩壁まで歩く

本来、SNSに記載されていた凹角ルートを継続登攀する予定だったが壁からの威圧が凄まじかった。考慮した後、当初の計画は断念し不甲斐ないながらも弱点を探し高度を上げる
【上部岩壁 弱点ルート】
1P(Ⅲ⁺ 50m)
弱点と有ってラインは複数取れる。あえて登攀要素の高いラインへ進路を取るがⅢ⁺程だった。50mいっぱい伸ばし細い立木で切る

2P(Ⅲ 50m)
上部スカイライン目指し高度を上げロープいっぱいにて切る(登攀終了)
【下降】
当初は稜線から同志会、無名沢へ進路を取り下降しようと考え下降ルートを模索したが不確定な要素が大きい為同ルート下降。
シーズン初めには奮闘的だったが慣れないチムニー登攀は新鮮で楽しい。