奥日光 五色山北ルンゼ~日光白根山東稜

2025年11月29日  メンバー:たぬき KNZ ISK げんちゃん

天候 終日快晴

昨シーズン初めて訪れた五色山北ルンゼ。シーズン初めの足慣らしとしては非常に有意義な山行と感じた。されば今シーズンも、身体慣らしに五色山北ルンゼから日光白根山東稜へ継続登攀しに行ってきました。
このエリアの冬季登攀は交通規制の影響もあり非常に賞味期間が短いので、タイミングを逃すと登攀が不可になるある意味レアなルートと認識。さすれば些細な情報がSNSへ上がるのを確認すれば、急遽予定していた山行を変更し冬季登攀に向け身体慣らしへ。
昨今は、夏季が長く秋季が短くなりいきなり冬季へと移り変わる気候。体の順応が非常に困難だ。
冷感へ順応が出来ていない中、暖かい車中より菅沼駐車場へ降り立つと普段なら凛とした冷気が心地良く感じていた過去の記憶とは違い、身を振るわせる感覚だった。
かじかむ手にて準備を進めアプローチ開始。
最奥部の駐車場から左岸に切り込む沢横へ進路を取り取り付きへ。

五色山北ルンゼへアプローチ 堰堤脇を詰める シーズン初めとあって冷気が体に刺さる

簡略すると小堰堤群脇左岸を15分程辿ると表現した方がわかりやすいか。堰堤脇を詰めれば北ルンゼ取り付きへ到達。

【五色山 北ルンゼ】
出だしよりナメ状の氷を処理しながら高度を上げる。

取り付きより ナメの処理から離陸

ルート全体を通して傾斜の緩いの氷瀑が現れる。慣れているパーティーで有ればロープの必要性は無いかと思うが不安が有れば個人判断に委ねる。

アイス区間はフリーで突破 足慣らしにはちょうど良い緊張感だ
上部から見下ろすとかなりの高度感だ スリップすれば滑り台へ変貌するだろう

序盤はナメの処理が多く中間部にては何か所かCSの処理が入ってくるので飽きが無い。

中間部にて現れるCSの処理 短いがボルダーチックで良いスパイス

途中数カ所、二俣が現れるが基本的に幅広の本流を遡行すれば問題ないと感じた。
上部二俣で本流は右のナメを遡行するのが正規ラインの様だが物足りない為、左のミックス壁へとラインを取る。
ミックス壁は出だしが非常に悪い。

核心部の枯滝 離陸が非常に悪い ミックスと言うよりドライ要素が強いピッチ 山行全体を通しこの区間のみロープを出す

出だしプアなプロテクションにて離陸。ドライセクションが多い為NPの使用が有効。ベルクラにアックスをねじ込み壊れそうな氷にツッケを丁寧に置き誤魔化しながら強引に抜ける。氷結状態により難易度は変化すると思うがいずれにせよ悪い。
ミックス壁を処理すれば簡単な氷を処理しながら五色山ピークへ突き上げる。最後の詰めは意外と長い。

枯滝の処理後は若干悪いミックスを処理し五色山トップへ

五色山のピークより一般道に導かれ五色沼まで下る。せっかく高度を上げたのに眼下に広がる五色沼まで高度を下げるのは何だか切ない。しかし、トレーニング。

五色山トップから継続する白根山 肉眼で望むと遠い

気持ちを切り替えれば、体をいじめる行程はむしろ嬉しい。
避難小屋付近手前より一般道を離脱し白根山東稜へと進路を取り取り付きへ。

【白根山 東稜】
個人的な体感としては、アルパインと言うよりバリエーションルートと言う表現が有っているのか。ただ、北ルンゼから継続してくるとトレーニングとしては非常に価値の有るルートに感じた。

東稜取り付きへ 此処まで来ると日差しが暖かい 耐寒トレーニングとしては物足りない

取り付きよりルートの核心部。傾斜の強い草付帯の処理から。アックスを凍った草付に打ち込みながら高度を上げる。所々、木登りも有るが楽しい。 草付帯を抜ければ簡単な岩稜歩き。東稜のランドマークであるトンガリ岩を越えれば上部核心へ。地形が若干複雑だが上部を見て右の岩壁上のリッジへ進路を取る。直ぐに岩壁に突き当たり処理。露岩であればⅢ級程度だが着雪次第で難易度は変化するだろう。

東稜核心部の処理はドライだった

岩壁を処理すれば岩稜を歩き白根山ピーク近くへ突き上げる。

ピークにて後片づけ 日差しが心身を包む

昨シーズンは吹雪による悪天、今シーズンは快晴。贅沢な感覚の捉え方だが、トレーニングとしては前者が良かったのか。
シーズン初めにしては体力、耐寒的にもバッチリなトレーニング山行が出来た。
このルートはシーズン初めに最適に感じる。ルーティーン化しよう。

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