日光月山氷瀑群 夫婦滝

2022年2月8日 メンバー Bigmountain たぬき夫妻 他1名

天候 高曇り

数年前に訪れた夫婦滝。その時、雄滝からは異様な威圧感を感じ雌滝へ逃げ悔しさが残った。その翌年から雄滝の登攀を何時かしたいという思いはシーズンインする度、毎年込み上げチャンスを待つも昨今の暖冬の影響より登攀は難しい状況だったが、今年は氷の当たり年。
ようやくチャンスが巡り、念願の雄滝へ氷を楽しみ行ってきました。

雄滝全容 
画像是は伝わらないが威圧感が尋常ではない

普段ダム駐車場まで車でアクセス出来る林道は、本年はトンネル手前のゲートまでで車両通行止めの為、路肩の駐車スペースに車を止めアプローチ開始。少しアプローチが伸びたと言え体を温めるにはちょうど良い距離。
トンネルを抜け明瞭なトレースに導かれ夫婦滝へ到着。
取り付きより望む雄滝は落差80m3段の直瀑。やはり威圧感が尋常ではなかった。しかし氷はしっかり上部まで繋がり登攀は可能。
緊張、プレッシャーと登攀意欲が葛藤する中、準備を整える。
準備を整える間は、圧倒的に前者の気持ちが支配していたが氷と対峙すると一気に後者の心境に陥る。やっぱり山が好きなんだな~と実感し登攀開始。
( )内は個人的な体感グレード、スケル

【夫婦滝 雄滝】
1P(35m Ⅳ⁺)
中央にラインを取り上部2段目基部まで。出だしとも有り緊張。取り付きより望む以上に悪く感じたが恐らくメンタル的なプレッシャーからだろうか。トポではⅤとなっているが氷質が安定していればバーチカルでないのでⅣ級クラスに感じた。

1P 出だしとも有り緊張
更に上部の氷壁がプレッシャーをかける

2P(30m Ⅴ⁺)
ルート上の核心ピッチ。取り付きからは左寄りのラインを登攀しようとオブザべしていたが、現場に着くと大穴から伸びる凹角の方が弱点に感じ、中央凹角を選択。
立っているがステミングが効き傾斜を殺し高度を上げる。中間部より凹角は消滅する為、体一つ左に移しカンテ状のフェースに移す。ステミングから正対と切り替わるので切り替えに非常に難儀した。
終始バーチカルの為、氷質次第では確実にⅥが付くだろうが、氷の当たり年に救われた感じがした。

2P ルート上の核心ピッチ 終始バーチカル 下部はステミングで抜け中間部よりカンテ状フェースへ

3P(30m Ⅴ)
出だしよりバーチカル。2P終了点を落氷ラインから考え左(右岸)へ設置した為、トラバースから始まり氷柱中央の浅い凹角へラインを取る。
バーチカルだがホールドスタンスは豊富だった。所々、フッキングが多用できる個所も有り省エネで高度を上げる。全身がパンプ状態だったが15m程のバーチカルを抜けると徐々に傾斜は落ちだす。
下部ピッチの処理から容易との錯覚を感じるも、ランナーは確実に取り終了点へ。
左岸立木に終了点が設置されていたが、若干そこまで行くのに悪そうな為右岸立木で切り、登攀終了。

3P 下部に比べればバーチカル区間は短いものの全身がパンプ状態

【下降】
1P 左岸立木の残置を利用し60mダブル2本連結にて1段目終了点まで下降。
2P 1段目終了点に有った残置アバラコフにより60mダブル連結にて取り付きまで下降

帰路 林道より遠望する雄滝

悔しさを晴らす為、いつか登攀したいと思っていた雄滝。
氷質が安定していた事が幸いだったがオールリードで登攀出来た事は今後の自信になった気がする。
今後も精進し、今回の山行で気がすると思った心境を今後確実な物にしたい。

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