足尾 ウメコバ沢中央岩峰 大凹角ルート

2022年8月22日  メンバーたぬき Mtaka Otake

天候 晴れのち曇り

例年、夏季の山行は天候に振り回され計画通りに進まないのは自負している。
しかし、今年の盛夏は梅雨明けが早かった為、無雪期シーズンが長い事からチャンスが多く得られるかと思いきや、期待に裏腹な天候周期が続き計画していた山行は軒並み中止を余儀なくされた。
最近は冬季に通っていた足尾だが、山に行けずストレスを抱く日々に嫌気を差しマルチを楽しみに行ってきました。
本来、夏季はにわか雨の影響を非常に受けやすいウメコバ沢だが天候を慎重に見極め早めの撤退も視野に入れる事を前提にウメコバ沢中央岩峰の看板ルートである大凹角の登攀を楽しんだ後、以前より整備しなくてはと思っていたスーパーフレーク上に有るブッシュの枝打ちを兼ね、親水公園よりアプローチ開始。
晩夏といえ晴天の下、平行道を辿るアプローチに大汗を掻きながら足を進めウメコバ沢出合へ。アプローチ道に茂る足下の草は夜露に濡れたかのように思われたがウメコバ沢出合へ到着してみると周囲の壁は濡れ明け方スコールが通過し馬の背を分ける雨で有ったことを認識する。
登攀に不安を抱きつつも取り付きへ。 案の定取り付きから突き上げる大凹角は出だしからビショビショに濡れていた。取り付き敗退が脳裏を過る。

大凹角ルート取り付き
ビショビショに濡れた壁に不安を抱く

快適な登攀からはかけ離れるが山屋としては行ける所まで行き、条件が悪ければ敗退すると言う保険を言い聞かせ離陸。   ( )内は個人的な体感グレード、スケル
【大凹角ルート】
1P(Ⅴ⁻ 35m)
出だしより顕著な凹角を辿り高度を上げる。壁はビショビショに濡れグレード以上に悪く感じ慎重に進み上部垂壁に突き当たった所で左のランぺにラインを取りテラスまで

1P 濡れた壁に敗退覚悟で登攀開始

2P(Ⅴ⁺ 20m)
離陸が非常に悪い上に出だし核心部が濡れていた。此処もグレード以上に悪く感じたが数手で核心部を処理すれば凹角を辿りテラスまで

2P 出だし核心部が濡れ非常に悪い出だしを強いられる

3P(10a 35m)
ルート上の核心ピッチ。スベリ台じょうの凹角。左のカンテを絡めながら慎重に高度を上げ滑り台を抜けると立った凹角。ホールドスタンスは有るが細かく意外と悪い。スズメのお宿でピッチを切る。レッジ状なので非常に狭い

3P ルート上の核心ピッチ ランぺ状の凹角に慎重に高度を上げる

4P(Ⅳ⁺ 35m)
左のカンテにラインを取る。出だしの一手が悪いが直ぐに凹角に入れば傾斜は落ち快適

4P 出だしのカンテの処理が嫌らしい

5P(Ⅳ⁺ 35m)凹角を辿る。傾斜が若干落ちて来る為ブッシュと浮石が目立ち始める。大岩の有るザレ地帯で切る

5P 忠実に凹角を辿る

6P(Ⅲ⁺ 50m)
目前の巨石を登れば後はザレを詰め中央岩峰の頭に突き上げ登攀終了

6P おまけピッチ
背後の岩壁がスケールの大きさを物語る

下降はFixを頼りに高度を下げゴーロ地帯から岩壁基部に沿いスーパーフレーク取り付きへ。
取り付きは鬱蒼と木々に覆われルート上にもブッシュが目立つ。ショートルートながら国内では他に無い程の名ルート。
以前より気になっていたブッシュの枝打ちを兼ね1Pを整備しながら登攀してきました。

スーパーフレーク1P ルート上に目立つブッシュを枝打ちし整備

大分スッキリし今後、多くのクライマーに足を運んでもらいたいという気持ちと共に下山。

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