鹿島槍ヶ岳 東尾根

2021年4月6日~7日  メンバーたぬき夫妻

天候  両日快晴

既に平野部では冬は過去の季節になり、山麓や低山なども新芽が息吹き新緑の季節へと移り変わりが進む中、高峰にては未だ雪をベットリと纏い冬山の様相が漂う中、計画して何年越しで有ろう鹿島槍ヶ岳 東尾根。ようやく天候と日程が合い、雪稜を楽しみに1泊2日の行程で行ってきました。

【6日 東尾根取り付き~第一岩峰基部】
日が昇り辺りが明るくなってから大谷原駐車場よりアプローチ開始。林道を辿り直ぐに水力発電所を横目に通過しS字カーブを越し左手に巨大堰堤が有る付近より東尾根へと急斜面を詰めます。斜面には積雪は無くブッシュがうるさい。踏み跡、テープ等の目印が無くルートを間違えたかと思うも既に修正は遅い。しかし上部に見える尾根は東尾根と明確な為、尾根目指し歩き易そうな場所を選び高度を上げ東尾根へ乗る。
尾根に乗れば積雪が現れ樹林帯の広い緩急有る尾根を詰めると一ノ沢ノ頭へ到着。

一ノ沢ノ頭より 鹿島槍ヶ岳のピークを望む

広々とし幕営には適所に思える。一ノ沢ノ頭より一気に森林限界へ突入し雪稜となり雪稜を快適に進むと二ノ沢ノ頭へ。此処も広々とし幕営適所。本日の行程は第一岩峰基部の為、快適そうな2箇所の幕営適所を横目に更に雪稜を辿ると徐々に傾斜は増し、急斜面の雪面に喘ぐと第一岩峰基部へ到着。
行動予定では正午過ぎに到着予定だったが、時計を見れば正午前。このまま東尾根を抜け一気に冷池山荘まで抜けるか迷うも、天気予報を確認すると翌日も快晴の予報の為、若干早いが予定どうり第一岩峰基部にて幕営を決める。
行動終了には早いともあり、翌日の時間短縮の為第一岩峰へFIXを張りルート工作した後、幕営にて行動終了。

第一岩峰基部にて幕営

【7日 第一岩峰~第二岩峰~鹿島槍ヶ岳(南北)~赤岩尾根】
早朝日の出と共に行動開始。いきなりだが第一岩峰の登攀から始まる。前日ルート工作したと言え朝一の登攀はぎこちない。
トポには岩峰と記載されているが雪が繋がっていれば実際雪壁の登攀となる。クラストした雪壁にダガーポジションにて四肢をフル稼働し高度を上げる。第一岩峰の終了点が不明瞭で分からないままコンテにてロープを約150m程延ばし稜線へ突き上げる。この区間マイクロトラクションとタイブロックのシステム構造にて同時登攀。
稜線に出ると遮る物は無く高峰の峰々が連なり絶景が広がる。山屋でさえ感動する光景は、恐らく一般の人が見ればより一層感動できるだろうが皮肉なことにこの光景を堪能できるのは山屋だけか。

白と青の世界が広がる

高度感の有るヤセ尾根を忠実に辿るとルート上の核心で有る第二岩峰へ到着。遠目より目視するにラインは明瞭だったが取り付き直下になると不明瞭に感じた。

核心である第二岩峰基部にて

岩峰基部左のルンゼ状より取り付く。ラインを間違えたのか悪いチムニー状を抜けると核心のCS直下に抜ける。重荷を背負ってのハングしたCSの通過は非常に緊張した。CSの乗り越す区間は思いの外残置が少なくカムが有れば有効に感じた。
第二岩峰を通過すると目前に聳える鹿島槍ヶ岳北峰目指し雪稜を辿る。雪稜は両側スッパリ切れ落ち、右手にはカクネ里、左手には北俣本谷が広がり高度感を楽しみながら高度を上げると北峰に突き上げる。

振り返れば絶景が広がる

此処で東尾根の登攀は事実上の登攀終了。対岸に聳える南峰目指し半分程一般道が露出した吊り尾根に足を進め南峰到着。
夏道が殆ど露出した一般道を辿り冷池山荘まで進み下山開始。 西沢の下降も考えたが正午過ぎとも有り雪崩のリスクを考え赤岩尾根より高度を下げ大谷原へ降り立ちました。
雪稜に岩峰登攀などの要素が加わり非常に楽しめるルートでした。

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