谷川岳 一ノ倉沢烏帽子沢奥壁 中央カンテ

2024年2月24日 メンバーたぬき 他1名

天候 曇りのち晴れ

前回の偵察より今季目標としていた雪稜ルートの挑戦は断念した。しかし、冬季の谷川の魅力は尽きない。
雪稜が難しいとなれば冬壁へ転進し、以前より登攀したいと思っていた烏帽子沢奥壁 中央カンテへ冬季の谷川を楽しみに行ってきました。

23日 偵察の為一ノ倉沢へ入る。前回の偵察時はテールリッジ付近までデブリが有ったが今回は一ノ倉沢出合までデブリが押し寄せていた。日中に目視しても異様な光景が広がっていた。

デブリに覆いつくされ悲壮感漂う一ノ倉沢

夜間訪れると不気味な雰囲気に登攀意欲が削がれる状態に感じる。デブリ群は尋常では無い量だったが前回の偵察時と比べると結合が進み雪崩のリスクが少なそうな為、翌日の登攀を約束し偵察終了。

冬季の衝立からは異様な威圧を感じる

24日 朝方?深夜?表現が難しいが山屋なら前者か。アプローチ開始。前日の偵察により問題なく一ノ倉沢出合まで進み準備を整え一ノ倉沢を詰めテールリッジへ。谷川は積雪量が少ないがテールリッジに関しては例年並みの積雪に感じた。四肢をフル稼働し中央稜取り付きへ。
浅いクレパスが開き最終準備を整えながら日の出を待つ。

中央稜取り付き付近より滝沢全景 三スラが美しい

明るくなってから取り付きまでトラバース。ガイドブックにも悪いと記載されていたが確かに悪かった。
ロープは出さず慎重に50m程左上トラバースし取り付きへ。
積雪が思いの他多く殆どの支点は埋没していたが中央カンテの取り付きは辛うじて半分ほど出ていた為掘り起こし安全確保。準備を整え登攀開始。

【中央カンテ】
ルートのライン、ピッチの切り方は無雪期と同様の為、割愛する。
条件としては、無雪期と全く異なった。気象条件にもよるのだろうが、前日弱い降雪が有った為か壁には薄っすらと着雪が有り、除雪しながらの登攀になった。更に無雪期なら残置が容易に目視出来安心した登攀を楽しめていたが着雪の為発見できる事は難しく、ブッシュやイボでランナーを取る為ランナウトに耐えながらの登攀だった。

1P 着雪が多く非常に悪いトラバースから
2P目離陸 全体お通し無雪期とは比べ物にならない程悪い
3P バンドからカンテへ回り込む

 

滝沢をバックにフォローを迎え入れる 凍てつく岩壁と高度感がたまらない
4P 上部にはまだ覆いかぶさる様な壁が広がる

技量不足の為、各ピッチの登攀に1時間程費やす。情けない。メンタルもかなり疲弊し5P目も抜けられない始末。途中にて敗退。下降は同ルート懸垂にて。取り付きより中央稜取り付きまでも50m連結にて懸垂

下山時 出合までデブリに覆いつくされた一ノ倉沢
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